「当店のトイレで使用しているトイレットペーパーがあまりにも好評なので販売することになりました」──。
埼玉県の激安スーパーとして知られる「スーパーマルサン越谷花田店」が掲示している張り紙が、何らかの盗難対策ではないかとして「頭良い」などとX(ツイッター)で注目を集めている。
店長は2023年8月15日、憶測を認めるとともに、「現在は盗まれることはほとんどなくなった」と取材に答えた。既存のアイデアを参考にしたと説明している。
「あきらかに定期的に盗まれ」対策へ
話題となっているのは、店が次のように伝えた張り紙だ。
「当店のトイレで使用しているトイレットペーパーがあまりにも好評なので販売することになりました。当店のトイレットペーパーをご自宅でもご使用したいというお客様 お手数ですが、サービスカウンターまでお持ちください」
販売価格は、税抜きで1個50円と記されている。あるXユーザーが13日に写真で紹介したところ大きく注目される事態となった。
投稿を受けて、「新手の盗難対策ですねw」「売り物にすることで罪の意識を感じさせるらしい」といった憶測が出たうえ、「頭良い」などと取り組みを評する声も出ている。同店に限らず、似たような張り紙を目撃したとの情報も複数寄せられている。
スーパーマルサン越谷花田店の店長は15日、張り紙は客用トイレに掲示しているとJ-CASTニュースの取材に説明した。掲示を始めたのは2年前。「トイレットペーパーがあきらかに定期的に盗まれることがあり、このような対策をしました」と明かす。
当時、熊本県にある道の駅が行った対策法をウェブ記事で目にしたといい、「ユニークで効果があったみたいなので真似して行いました」と振り返る。そのためXの反響は、「なんとも言えない気持ち」「(考案者の)アイデアがすごい」と受け止めている。
効果実感「異常な減りはなくなりました」
参考にしたのは、車の情報サイト「くるまのニュース」が21年7月3日に公開した記事「『もうトイレットペーパーは盗ませない!』 盗まれるほど大人気!? 道の駅が編み出した盗難対策とは」。店長は「このサイトに感謝しております」と伝えた。
張り紙の有無による盗難件数の推移に関しては、「現在は盗まれることはほとんどなくなったと認識しております」とし、
「お客様が使用するサービスなので1日の使用数などはカウントしているわけではないのですが異常な減りはなくなりましたので、一定の効果は出ていると感じております」
と述べる。トイレットペーパーの購入者は月に2~3人程度。業務用の新品を販売しており、1~3ロール単位や、年に2人ほど12ロールにあたる1パックでも売れたという。
トイレットペーパーの盗難をめぐっては、「お客様へのサービスなので、節度のある行動をとってもらいたいです」とも呼びかける。