岸田首相の「聞く力」、低すぎ...? 木原氏問題で返ってきた「シンプル過ぎる回答」

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   木原誠二官房副長官の妻が警視庁に任意聴取されていたと週刊文春が報じた問題をめぐり、岸田文雄首相が2023年8月14日、首相官邸ウェブサイトで見解を示した。8月4日に官邸で行われた記者会見で時間内に質問できなかった記者の質問をメールで受け付け、回答した中に含まれていた。

   ただ、元々は385文字あった質問のうち、ウェブサイトに掲載されたのは32文字。これだけでは質問の趣旨がはっきりしない上、答弁も官房長官会見同様の内容にとどまった。就任時に掲げた「聞く力」のあり方が改めて問われることになりそうだ。

  • 記者会見する岸田文雄首相。質問したのは8人で、後日12人分の質問にウェブサイトで回答した
    記者会見する岸田文雄首相。質問したのは8人で、後日12人分の質問にウェブサイトで回答した
  • 記者会見する岸田文雄首相。質問したのは8人で、後日12人分の質問にウェブサイトで回答した

記者会見で出た8問に木原氏問題は含まれず

   8月4日の会見では、幹事社2人を含めて8人の記者が質問。内訳は全国紙3人、民放キー局3人、地方紙1人、外国通信社1人。ネットメディア記者やフリーランス記者は指名されなかった。多くの記者が挙手する中、司会者が

「大変恐縮ですが、現在、挙手いただいている皆様につきましては、本日中に1問、担当宛てにメールでお送りください。後日、書面にて回答させていただきます」

とアナウンスして会見は終了した。木原氏の問題に関する質問が出なかったとして、X(旧ツイッター)では、メディアの問題意識を非難する声も出ていた。

   ウェブサイトには12人分の回答が掲載され、その中に木原氏問題に関するものがあった。質問したのは「ニコニコ動画」で知られるドワンゴだ。

   ただ、掲載された内容はきわめてシンプルだ。「木原官房副長官に関する一部週刊誌報道と当該事案の再捜査等について」という質問に対して、回答は

「個別の案件について、政府としてコメントすることは差し控えますが、捜査当局が法と証拠に基づき中立・公正な立場から適切に対応するものと考えています」

というもの。具体的にどのような質問をしたかが明らかではないので、やり取りがかみ合っているかも判断できない。

元々の質問の内容は...?

   元々の質問は「ニコニコニュース」がXで公開している。「ニコニコユーザー」から寄せられた問いで、以下のような内容だ。

公明党の山口那津男代表は7月29日、木原誠二官房副長官の妻が警視庁に任意聴取されていたとの週刊文春報道に関し、「捜査機関でしっかり説明を尽くしていただきたい」と述べ、同時に「木原氏が疑念を持たれないよう、また本来の職務にしっかり取り組めるよう政府として整えてほしい」と語りました。また昨日立憲民主党の長妻昭政調会長は会見で、木原氏が記者会見などで説明するよう求めました。
なにより2006年4月に亡くなった安田種雄さんのご遺族は、再々捜査を強く求めています。
SNS上ではこの件に関して連日、多くのツィートが投稿されていますが、総理はこのことをご存じでしょうか。
また現状のままだと、ご遺族の方の悲しみや無念、政権の要である木原副長官への疑念、日本は法治国家なのかという疑問、政権への影響は払拭されないまま、尾を引くことになりかねないのですが、総理のご所見をお聞きしたいです。

   つまり、質問では大きく(1)岸田氏は事案をめぐるネット上の反応を把握しているか(2)事案をどう受け止めているか、を聞いているが、岸田氏はそのいずれにも回答していないことが分かる。

   質問の全文が載らないことで趣旨が分からなくなる問題は、22年4月27日の官房長官会見で提起されたことがある。

「回答の際に各社の質問が相当簡略化されており、一体何を質問したのか判然としないケースがある」

という記者の指摘に対して、松野博一官房長官は

「各社の質問文は、全体を簡潔にする観点から端的に趣旨を記載している」

と主張した。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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