「あなたとの約束は、ちゃんと守っていますよ」 尾辻参院議長の戦争の記憶...「遺骨収集」と不戦の誓い

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尾辻秀久参院議長「追悼の辞」全文

本日ここに、天皇皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、 全国戦没者追悼式が執り行われるにあたり、 謹んで哀悼の誠を捧げます。
父も32歳で戦死をいたしましたので、私は今日、参議院議長として、また、遺族のひとりとして、ここに立たせていただいております。
私たちは、焼け野原の中、お腹を空かせて大きくなりました。「一度で良いから、お腹いっぱいご飯を食べたい」と思っていました。
母が元気なころ、軽口で「親バカだなあ」と言いましたら「私が親バカでなければ、父親のいないあなたは生きていなかった」
母に諭されたことを忘れることはできません。
その母も41歳で力尽きた時、戦没者の妻の皆さんが母親代わりになって下さいました。
遺骨収集でご一緒しました時、その中のおひとりがご遺骨に語り掛けられました。「子供達をしっかり育てるという、あなたとの約束は、ちゃんと守っていますよ」
私たちは、生きるか死ぬかという中を肩を寄せ合って生き抜いて参りました。平和で豊かな国を作り上げました。
いま、私たちがしなければならないことは 「犠牲となられた方々のことを忘れないこと」 と、「戦争を絶対に起こさないこと」であります。
平和を守るために、私の経験を次の世代に語り継いで参りますことを戦没者の御霊にお誓いを申し上げて、 追悼の言葉といたします。
令和5年8月15日
参議院議長 尾辻秀久

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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