全国戦没者追悼式で「ウクライナへの侵攻は言語道断」 遺族代表が訴えた平和への思い

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   終戦から78年を迎えた2023年8月15日、東京・千代田区の日本武道館で行われた政府主催の全国戦没者追悼式で、熊本県菊池市の横田輝雄さん(83)が遺族代表として追悼の辞を述べた。

  • 全国戦没者追悼式
    全国戦没者追悼式
  • 天皇皇后両陛下の前で追悼の辞を述べる横田輝雄さん
    天皇皇后両陛下の前で追悼の辞を述べる横田輝雄さん
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  • 天皇皇后両陛下の前で追悼の辞を述べる横田輝雄さん

「かつての戦争を思い出さずにはいられません」

   1945年(昭和20年)5月に父の正則さんを亡くした横田さんは、前年の44年4月に父が召集された当時を次のように振り返った。

「(父は)最愛の家族の安寧を祈りつつ、我が身の危険をかえりみず、祖国の安泰と平和を願い、出征して行きました。母は3番目に産まれた妹の事を知らせるために、何度も手紙を書きましたが父のもとに届くことはなく、父は子の顔も知らず、昭和20年5月、中国の地において無念の死を遂げました」

   家族を失った悲しみは深い。心が折れそうになることもあったが、互いに助け合って励まし合いながら懸命に生きてきた、と横田さんは続ける。

「今日の平穏な生活が享受できますことは、戦没者の尊い犠牲の礎の上に築かれたものであることを決して忘れるものではありません」

   しかし、依然として世界では紛争などが起こり続けている。22年2月にはロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まった。横田さんは次のように述べる。

「今般のロシアによるウクライナへの侵攻は、言語道断の行いであり、現地の惨状を目の当たりにするにつけ、かつての戦争を思い出さずにはいられません」

   こうした状況において、日本が平和実現に向けて果たすべき役割は小さくないとし、「戦争の悲惨さと平和の尊さを、孫、ひ孫の世代へと永遠に語り継ぐことを英霊にお誓い申し上げます」と訴えた。

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