大リーグ・ドジャースと正式契約した韓国の新星チャン・ヒョンソク投手(19)が2023年8月14日、韓国・ソウル市内で入団会見を行った。複数の韓国メディアによると、契約金は90万ドル(約1億3000万円)で背番号は「18」に決まったという。
「韓国の選手にとってドジャースは親しみが」
チャンは190センチ、90キロの恵まれた体格の右腕で最速156キロの有望株だ。地元メディア「OSEN」(WEB版)によると、7月に行われた国内の大会にドジャースをはじめパイレーツ、ブルワーズ、フィリーズ、ロイヤルズ、レッズ、レンジャーズ、アスレチックスのスカウトが訪れたという。
9月に中国・杭州で開催されるアジア大会ではアマチュアから唯一韓国代表に選出されるなど、今秋に予定される韓国プロ野球のドラフト会議で全体1位指名が有力視されていた。大リーグ進出か国内球団に入団するか悩んだ末、8月1日に大リーグ進出を表明した。
韓国にとってドジャースは馴染みのある球団だ。韓国人初の大リーガー、パク・チャンホ氏(50)がキャリアのスタートを切ったのがドジャースで、投手として8年間プレーした。その後、レンジャーズ、パドレス、メッツを経て08年に再びドジャースに入団。大リーグ通算124勝をマークした韓国のレジェンドだ。
OSENによると、記者会見の席でチャンは「ドジャースに入団するとは思わなかったが、ユニホームを着ることができて光栄です」とし、「韓国の選手にとってドジャースは親しみがあり、慣れている球団です。30球団の中で投手を一番よく育てる球団とも聞いている」と語った。
「大谷選手はダルビッシュ選手の次に尊敬する選手」
目標とする投手としてチームメイトになるクレイトン・カーショウ投手(35)の名を挙げた。カーショウはサイ・ヤング賞をはじめ数々のタイトルを獲得してきた大リーグを代表する投手のひとり。チャンは「カーショウはドジャースに長く在籍して先発1番手を務めてきた。自分も先発投手になりたいという思いがある」と意欲を見せた。
早期の大リーグ昇格を目指すチャンは、対戦したい打者として二刀流として活躍するエンゼルスの大谷翔平投手(29)の名を挙げた。大谷は今季本塁打を量産し、14日時点で41本塁打を記録しア・リーグ本塁打争いのトップを走っている。
チャンは「対戦したい打者はたくさんいるが大谷翔平選手と対戦してみたい。大谷選手は同じアジア人でメジャー最高の打者と呼ばれるほど最高の成績を残している」とし、「ダルビッシュ選手の次に尊敬する選手です」と語った。
チームのチャンへの期待は高く、会見に出席したドジャース環太平洋スカウティングディレクターのジョン・ディーブル氏はチャンに背番号「18」を用意した理由を次のように説明した。
「私はアジア方面で長くスカウトをしてきたが、松坂大輔や前田健太など多くのアジア最高の選手が背番号18番を付けた記憶がある。チャン・ヒョンソクも18番を着用してくれればよいと思って選んだ」
チャンは早ければ10月から行われる教育リーグに合流する。