国立科学博物館クラファン、目標達成も「国が出せないの?」「本当に残念」 くすぶる不満、文科省の受け止めは

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クラファン成功により支援の在り方に変化はあるか?

   クラファンが決定した段階で、運営費交付金を増やした方が良いという案はなかったのか。担当者によると、その時点で23年度の予算は国会のプロセスを経て見込みとして決まっており、増やすのが難しかったという。今後のリスク要因を考え、科博と相談したとする。

   今後の運営費交付金については、来年度の予算になるため、これから準備を始める。今の状況や今後の見込みを科博と相談して決めるとした。

「海外では寄付金を多く集めている博物館もあります。今の法人は、柔軟に多様な財源を確保することができるように制度化されたものです。自分たちで収入として得る財源を増やしていくチャレンジという風にも捉えています」

   科博は、寄付金が財源全体の数パーセントしかない状態のため、法人制度を活用して伸ばすこともできるのではないかという。

   ツイッター上では「クラウドファンディングが成功したら運営費交付金を増やさなくても、自分たちでなんとかできると思われて予算が減らされるのでは」という旨の懸念が上がっていた。資金調達の成功によって科博の支援の在り方は変化するのか尋ねると、担当者は「大きく変わらず、これまで通り運営費交付金の算定ルールに則って算出していきます」と回答した。

   寄付金は算定ルールから除外されており、寄付金を多く集めたら交付金が減るわけではないとした。

「科博は、必要に応じて、もしくは、今後やりたい活動が生じた時に、一時的にでも資金を集めるために、クラウドファンディングをしていました。今回は寄付金をプロジェクトベースではなく、少し用途を広げて使うために集めました。プロジェクトベースというのはこれからも続けるのではないかと思います。今回科博の活動を知っていただけた方々が、これからプロジェクトベースの資金を集める時に、科博に注目してもらう機会にもなったと思います」
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