プロ野球阪神が2023年8月13日、京セラドームでヤクルトに5-3で勝利し10連勝を飾った。2回に先制されるも3回に小野寺暖外野手(25)のタイムリーなどで3点を獲得して逆転。4回、7回にそれぞれ1点を追加し、9回は守護神・岩崎優投手(32)がきっちり抑えた。
「7回以降の失点が1番少ないのが阪神」
2位・広島とは8ゲーム差、3位DeNAとの差は11ゲームに広がった。本拠地・甲子園球場を離れ長期ロードに入った8月は、13日時点で11勝1敗。このまま独走態勢に入るのか。それとも阪神を捕まえるチームが現れるのか。J-CASTニュースは、阪神でプレーした経験を持つ元巨人コーチの橋上秀樹氏(57)に分析してもらった。
橋上氏は「ヤクルト3連戦は良い勝ち方でした」とし、「基本的に投手が安定しており、競った試合をきっちり取れている。8日の巨人戦からチームの強さが際立っていた。終盤の接戦を勝ち切っている。接戦で勝つというのは投手がしっかりしているという証明でもある」との見解を示した。
セ・リーグ6球団すべてが100試合以上を消化しペナントレースは終盤に差し掛かっている。橋上氏は阪神の強さの要因を巨人と比較して次のように解説した。
「上位4チームの先週(8月8日~13日)の試合を比べると7回以降の失点が1番少ないのが阪神。これが他のチームとの大きな違いです。阪神は先発がある程度試合を作り、後半勝負になりやすい展開でした。巨人も後半勝負になっているが、ブルペン陣が点を取られるケースが多くみられた。阪神は7回以降の失点が5点で、巨人は17点も取られている。巨人は総失点のうちの7割以上が7回以降に取られ、阪神は総失点の3割弱でした。失点の割合をみると、後半勝負のブルペン陣の強さ、弱さが明らかでした」
「選手がその気になってきた感じ」
阪神のチーム防御率はリーグ唯一の2点台(2.72)で、失点は最少の315点。安定した投手力がチームを支えている。首位を快走する一方で、梅野隆太郎捕手(32)の戦線離脱が大きな不安材料となる。13日のヤクルト戦の5回に左手首付近に死球を受け、左尺骨骨折と診断された。14日に出場選手登録を抹消され、スポーツ紙などの報道によると、今季絶望の見通しだ。
橋上氏は「岡田監督は痛いでしょうが、他にキャッチャーが全くいなくて梅野選手ひとりがずっとやっていたわけではないので、それほど大事にはならないと思います。今後は坂本(誠志郎)捕手がメインでマスクを被ることになるでしょう。それこそ坂本捕手がケガで出場できないとなれば大きな影響が出る。岡田監督も信頼しているでしょうし、ケガさえなければ大丈夫だと思います」との見解を示した。
岡田彰布監督(65)就任1年目のシーズンに18年ぶりの優勝が見えてきた。橋上氏は「戦力的には昨シーズンと比べてそれほど変わらないが、選手がその気になってきた感じがある。連勝を含めて接戦を勝ち切っていることが自信になっていると思います。追いかけてきているチームとの差が広がっていることも大きい。少し気楽にプレーできているかもしれない。勢いが増している感じがある」と語った。
15日からは敵地マツダスタジアムに乗り込み2位・広島と首位攻防戦に臨む。