「娘にとって私は外れなのかな」「プレッシャーでしかないです...」 若者言葉「親ガチャ」に苦しむ子育て世代

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「親にされたことや教えを娘に押し付けてしまうのではないか」

   子どもから親ガチャ失敗だと思われたくないと感じる子育て世代もいる。

   関東在住で医療関係の仕事に就くアイさん(仮名・29歳)は、幼いころから両親のしつけが厳しかったため、0歳の娘に「知らず知らずのうちに親にされたことや教えを娘に押し付けてしまうのではないか」と思いを口にした。

   アイさんは小学生だったころを振り返り、マラソン大会や習字大会で入賞した表彰状などを自宅に持ち帰って報告しても、親から一切の興味を示されなかったと語る。一方、兄の表彰状は額縁に飾られていた。

「これが原因かは定かではありませんが、とても自己肯定感が低い子どもだったと現在は感じております。何をするにも親の反応を一番に考える子どもだったんです」

   そんな両親から絶縁を切り出されたことをきっかけに、今では一切の交流はない。アイさんが親になってから「当時の母は家事に仕事に育児と1人で全て背負っており大変だっただろうな」と感じたというが、親になったからこそ、両親のしつけは過剰だったとも感じている。

   現在30歳の夫と0歳の娘の3人家族で暮らしているアイさんが、両親の考えに自らの思考が支配されていると感じたのは、夫に出会ったことがきっかけだった。

   育児が大変で家事に手が回らないときに「出来ない自分に問題がある」と考えてしまうが、夫は「出来ないものは出来ないのだから諦めたりやらなかったり、外注したりしよう」と考えるという。

   なぜアイさんはそう考えてしまうのか。その理由を「親から努力するようにとか、『狭き門より入れ』というように楽より大変なことをした方が人間は成長するというしつけを受けてきたから」だと分析している。

   親に言われたことが自分の価値観になっているというアイさんは、親のしつけは極端で良くなかったと思いつつも、その価値観を無意識のうちに娘に押し付けてしまうのではないかと不安になると、心境を打ち明ける。

   親ガチャについて「私は言葉の通りだと思います」とするアイさんは、次のように共感する理由を説明した。

「親ガチャに対して批判的に言う方は、綺麗事だと思ってます。もしくは、自分が恵まれた環境で不自由さを感じたことがないからなのではと思います。よく育ててもらった親に失礼だとかそういう意見を目にしますが、人間として当たり前の生活を子どもが送れるように親が努めるのは、子どもを作った以上親の責任だと思います」

   今抱えている不安は今後解決に向かいそうなのか。そう尋ねると、「正直分かりません。これから成長する娘に同じことをするのではと思うと不安です」と述べた。

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