大阪市の人気ラーメン店が、取材に来たメディアの言動に対し、「ラーメンを撮影の為の道具と思うなら、来なくて結構です」とツイッター(現X)で怒りの注意喚起をし、話題になった。
事前の打ち合わせで伝えられていない、突然の「オープン前に食事したい」というメディアの要望に対し、オープン後に来てもらうよう伝えた同店。メディアはラーメンを一口食べた後、ほぼ全てを残して退店したという。
「どんな気分になるかわかりますか?」
発端は、「花京 大正店」公式アカウントによる2023年8月5日の投稿だ。「長いですが、ご理解いただきたい一件がありましたので少し伝えさせてください」とし、事の経緯を記したメモをツイッターに掲載した。
プロ野球のオリックス・バファローズを応援する同店に対し、とあるメディアがオリックス関係の取材で、オープン前の仕込みの時間に店内などを撮影したいと依頼したという。
同店は「仕込みや準備の邪魔には一切ならないようにということで撮影に来られました」と明かす。撮影が終わったメディアは、開店15分前に再度来店し、事前の打ち合わせにはなかったものの「オープン前に食事したい」と要望してきた。
「この件電話でも伝えられてませんし オープン前の食事は容認することないですし物理的に不可能です」とする同店は、オープン後に来るよう伝えた。すると、その後ふたたび来店したメディアはラーメンを一口だけ食べて退店したという。
この件について、同店は以下のように記した。
「そもそも電話の際、100%用件を伝えたか? オープン作業中、オープン前に食事するのが果たしてマナーですか? フードロス、食材高騰の時代なのはメディアの方々なら僕らより知っておられるはずですよね? 時間が押しているかどうかはこっちは知りません。時間内で作業する、準備するのはお互い様です」
同店は「急いで準備してオープンして出したラーメンを一口だけ食べて帰られたらどんな気分になるかわかりますか??お腹空いても食べれない人はたくさんいます」と続け、「ラーメンを撮影の為の道具と思うなら、来なくて結構です」と怒りを露わにした。
「こういうことがあると悲しいです」と述べる同店は、メディアの名前は出さないとしつつも「飲食店のひとつの意見としてメディア関係の方にも目を通していただければと思います」と呼びかけた。
「平謝りされるばかりでなんの話にもなりませんでした」
同店は8月8日、J-CASTニュースの取材に、この出来事は4日に起きたもので、「リポーターの方が食べているシーンを撮るために注文され、その一口で終わりました」と経緯を明かした。メディアから代金は支払ってもらっているという。
今回の件について、(1)打ち合わせの段階で食い違いがある(2)オープン準備中に食事の提供を2度も急かしてきた(3)提供した商品をほぼ残して退店した――という3点が問題だと指摘する。
投稿した理由を、同店は「我々一般人が耳にする目にすることの多くは、メディア側の意見であったり、文言です。このような裏側の話をメディアと逆の立場(今回は飲食店)から伺える機会はそう無いと思っております」とし、次のように説明した。
「事実、こういうことが起きている、飲食店側とメディアがWin-Winではない事が起こりうる、という事で飲食店、メディアの両方に目を通していただきたいとのことでツイートさせていただきました」
後日、同店は改めてメディア側に連絡したという。「平謝りされるばかりでなんの話にもなりませんでした。投稿後ももちろん何も無いです。そもそもツイート見ているか、見た上で自覚があるのかはわかりません」と説明している。