高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
台湾での麻生太郎氏「戦う覚悟」発言を「高く評価したい」 抑止論で考える中国へのメッセージ

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抑止論において重要なのはコミットメント

   シェリングは、抑止論において重要なのはコミットメントであると喝破した。コミットメントをはっきりさせることで、相手国にメッセージを送り、これが戦争抑止につながるというわけだ。まさにこれこそが外交である。

   今のロシア、ウクライナ、アメリカについていえば、バイデン米大統領がウクライナに米軍を派遣しないと言ったことが、ロシアに対して誤ったメッセージを送り、結果としてロシアのウクライナ侵攻につながった。

   台湾有事は日本有事とは、故安倍晋三氏が広めた金言だ。だからこそ、中国に思いとどまらせるように正しいメッセージを送らねばならない。麻生氏はきちんとしたメッセージを送ったとして高く評価したい。古くからの格言にも「汝平和を欲さば、戦への備えをせよ」というのもある。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。


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