「びわ湖大花火大会」目隠しフェンス、実は2017年から設置 ではなぜ物議に?実行委が振り返る

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   関西最大級とされる「びわ湖大花火大会」で、高さ4メートルの「区分フェンス」が約2キロにわたって設置されたことが、マスコミ報道で大きくクローズアップされている。

   地元自治会が反対していると報じられ、「目隠しフェンス」として、すき間からのぞく人たちの不満の声も伝えられた。とはいえ、フェンスは、コロナ禍以前の開催でも設置されていたという。なぜ今回物議を醸したのだろうか。

  • びわ湖大花火大会
    びわ湖大花火大会
  • 2018年の大会で設置された同様なフェンス(写真は、びわこビジターズビューロー提供)
    2018年の大会で設置された同様なフェンス(写真は、びわこビジターズビューロー提供)
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  • 2018年の大会で設置された同様なフェンス(写真は、びわこビジターズビューロー提供)

すき間から花火をのぞいたり、フェンスによじ登ったり...

   大輪の花火がフェンス上半分の黒っぽい遮光幕から透けて見える中、たくさんの見物客がフェンスにしがみついている。

   下半分は、工事現場で見られるガードフェンスになっており、そのすき間から花火をのぞいたり、フェンスによじ登ったりしている様子だった。

   びわ湖大花火大会は、2023年8月8日に4年ぶりに滋賀県大津市内の琵琶湖畔で開催され、主催者発表で約30万人が約1万発の夜空の競演を楽しんだ。

   大会では、4500円~6万円の有料観覧席5万席が湖を見渡す岸辺に用意され、フェンスは、その席の外側に張り巡らされた。無料観覧席もあるが、安全対策のため、それを減らして、有料を前回より1万席増やしたという。

   フェンスについて、大会の公式サイトでは、立ち見や座り込みで道路に人が滞留して事故が起きることを防ぐためだと説明している。

   しかし、大会前から、地元自治会が家などから花火が見えないと設置に反対していると報じられ、大きな話題になっていた。自治会では、フェンスのほか、渋滞や混雑が激しくなる、ゴミや騒音が酷い、有料席が高すぎることを理由にして、7月に花火大会への反対決議まで行ったという。

   それでもフェンスを設置して開催したことについて、大会実行委員会事務局がある「びわこビジターズビューロー」の企画広報部は9日、J-CASTニュースの取材に対し、こう説明した。

「自治会の反対決議などが大きく報道され、騒ぎが広まった」

「花火を見えなくするフェンスを設置したのは、道路に人があふれて民家やマンションに不法に侵入して花火を見る人がいることや、事故でけがをしたり熱中症になったりする人の搬送で救急車が通れるようにすることもあります。自治会の要望はありましたが、安全優先を考えますと、フェンスをなくすことはできませんでした」

   実は、フェンスは、少なくとも2017年から設置されているという。前回19年のときは、フェンスの高さや長さなどもすべて同じだったとした。上半分を遮光幕にしたのは、布のフェンスなら登ることを阻止できるためだと説明した。

   では、なぜ今回騒ぎになったのかについては、次のように話した。

「自治会への説明会を毎年行っており、フェンスなどへの要望はそのたびに出ています。今回初めて書面で大会への反対決議が出され、そのことが新聞などに大きく取り上げられ、フェンスのことが広まったのだと思います」

   また、チケットがない人や県外の人は来ないでほしいとの呼びかけを行ったことも報じられたが、これも今回初めて行ったとした。この点について、実行委では、「4年ぶりの開催でたくさんの人が来ると事故のリスクがあり、韓国で昨年実際に起きたこともあって呼びかけました」と説明した。

   フェンスを設置したことについて、「チケットのない方には、いいイメージがなかったと思いますが、道路の安全を担保することができて一定の効果があったと考えています。次回はどうするかについては、まだ何も決まっていません」と話した。

   なお、大会の経費は約3億円で、収入はチケット代が8割を占めている。そのほかは、滋賀県と大津市から1800万円ずつ補助が出ており、企業の協賛金は2400万円になる。フェンスの設置費用は、それほどかかっていないという。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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