女子W杯イングランド「足裏踏みつけ」に地元メディア批判 「功績を台無しに」「ベッカムのようだ」

   サッカー女子ワールドカップ(W杯)の決勝トーナメント1回戦が2023年8月7日、オーストラリア・ブリスベンで行われ、イングランドFWローレン・ジェームズのプレー中の行為が波紋を呼んでいる。

   問題視されているのは0-0で迎えた後半42分のシーンだ。ジェームズは相手DFミシェル・アロジーと交錯し互いにピッチに倒れこんだ。先に立ち上がったジェームズはうつ伏せのアロジーの腰を右の足裏で踏みつけ、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のオンフィールドレビューの結果、レッドカードが提示され一発退場となった。

  • 競り合うジェームズ選手(写真:ロイター/アフロ)
    競り合うジェームズ選手(写真:ロイター/アフロ)
  • 競り合うジェームズ選手(写真:ロイター/アフロ)

「彼女は試合中にイライラしていた」

   試合は0-0のまま延長戦に突入し、イングランドは数的不利のなかナイジェリアに得点を許さずPK戦で勝利した。

   イングランドはベスト8入りを果たしたが、複数の地元メディアはジェームズの行為を批判的な論調で伝えた。

   試合を速報したBBC(WEB版)は、元イングランド代表選手や同メディアの解説者のコメントを紹介しながら記事を展開した。

   元イングランド代表MFアニタ・アサンテ氏は、「あの行為がローレン・ジェームズのこれまでの素晴らしい功績を台無しにしてしまった」とし、「代表チームは今、試合をひっくり返す能力を持つ選手を失ってしまった」と指摘した。

   BBCの解説者であるヴィッキー・スパークス氏は、「(このファウルは)アルゼンチン戦のデビッド・ベッカムのようだった」と指摘した。スパークス氏が重ね合わせたのは、98年男子W杯フランス大会決勝トーナメント1回戦のイングランド対アルゼンチン戦でのワンシーンだ。

   イングランド代表MFデビッド・ベッカムは、アルゼンチン代表ディエゴ・シメオネに倒され激怒。ベッカムはうつ伏せのまま右足でシメオネを蹴り退場処分を受けた。記事によると、試合後、ベッカムは英国国内で激しく批判され、殺害予告を受けたりしたという。

   Euro Sports(WEB版)は、イングランド代表のサリナ・ウィーグマン監督と元代表選手のコメントを紹介。ウィーグマン監督は「ジェームズは私が知っている中で最も優しい人です」とフォローするも、元イングランド代表FWエレン・ホワイト氏は「残念だ。彼女は試合中にイライラしていた。その(踏みつける)必要はなかった」とコメントしたという。

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