プロ野球巨人が2023年8月6日、マツダスタジアムで広島に13-0で大勝しリーグ3位に浮上した。主砲・岡本和真内野手(27)の3本の本塁打など計18安打の猛攻で広島を圧倒。投げては先発ヨアンデル・メンデス投手(28)が6回4安打無失点と好投し、4投手の継投で広島を完封した。
3連敗のDeNAと入れ替わり6月24日以来の3位に浮上した原巨人。首位・阪神とは8ゲーム開き、2位・広島を5.5ゲーム差で追いかけるなか、巨人の逆転優勝は実現するのか。J-CASTニュースは、原辰徳監督(65)の第2次政権で戦略コーチを務めた橋上秀樹氏(57)に分析してもらった。
「課題となっている投手力が改善されていない」
橋上氏は巨人の現状に関して「決して状態が良いわけではない。巨人が自力で上に上がったというよりは、3位だったDeNAが調子を下げて順位を落としたという感じです」と説明した。巨人は8月4日からの広島3連戦を1勝2敗と負け越し、DeNAは阪神との3連戦で3連敗を喫した。
巨人は8月6日時点でチーム防御率(3.55)がリーグ5位と投手力が課題となっている。一方で打撃力は高く、チーム打率(.255)、得点(374点)、本塁打(118本)はリーグトップの数字を残している。本塁打にいたってはセ・パ両リーグ唯一の3桁台を記録している。
橋上氏は「近年の課題となっている投手力が改善されていない」とし、「優勝を目指してこれから勝っていくには攻撃力を前面に出していくしかない。ここに比重を置いて戦うしかないでしょう」との見解を示し、次のように持論を展開した。
「岡本選手、大城(卓三)選手は、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に出場した選手の中でも開幕当初から調子が良く、今年の打線は2人が引っ張っているといっても過言ではない。序盤調子が悪かった坂本(勇人)選手、吉川(尚輝)選手がだいぶ良くなってきている。丸(佳浩)選手の離脱は誤算だと思うが、攻撃力は他のチームを上回っている。今から投手陣を整備といってもあまり大きなテコ入れはできないでしょう。逆転で優勝するには圧倒的に打つしかない」
逆転優勝に向けてホームゲームの多い8月が勝負だという。巨人は8月に本拠地・東京ドームで15試合を予定している。すでに3試合を消化し2勝1敗で勝ち越している。8日からは首位・阪神との3連戦、続けて4位DeNAとの3連戦を予定している。
橋上氏は「この暑い時期に東京ドーム開催が多いのは追い風になる。巨人はホームランの多いチームで、東京ドームはホームランが出やすい球場です。なおかつ空調設備が整っている。この暑い時期に安定した環境の東京ドームでの試合は選手にとっても戦いやすく、屋外球場に比べて疲労も少ない。アドバンテージになると思います」と分析した。