次期衆院選に向けて各党が候補者の擁立を進めるなか、日本維新の会が2023年8月2日に発表した立候補予定者が波紋を広げている。この日発表された9人のうち2人が立憲民主党からの「移籍組」だからだ。
そのうちひとりは衆院議員の経験がある元職で、数日前には「覆水盆に返らず にならい新しい道を模索していきます」とX(旧ツイッター)で明かし、去就が注目されていた。政党支持率では維新が立憲を上回る状況が続くなかで、人材の移動も活発化してきた。
Xで「覆水盆に返らず」→5日後に維新が擁立発表
この日発表された移籍組は熊本4区(八代市、人吉市など)の矢上雅義氏(62)と東京4区(大田区の一部)の石川雅俊氏(43)。矢上氏は衆院議員を通算3期務めた。93年に日本新党から初当選し、96年に新進党から出馬して2選。その後、自民党や無所属を経て、17年に立憲公認で旧熊本5区から出馬し、比例九州ブロックで復活当選。21年も立憲から出馬したが、比例復活もできずに落選した。23年4月の人吉市長選にも無所属で出馬したが、現職の松岡隼人氏にトリプルスコアで敗れていた。
矢上氏をめぐっては、7月28日にXに書き込んだ内容が波紋を広げていた。書き込みによると、21年の衆院選後、泉健太代表と党本部から「再出発の応援をいただきました」とする一方で、立憲の熊本県連からは「矢上氏を望んでいません!との回答があったそうです」と暴露。それ以来無所属だとして、
「立憲の泉代表と党本部の皆様には感謝しています。覆水盆に返らず にならい新しい道を模索していきます」
とつづっていた。この書き込みで矢上氏の去就が注目されていたが、その5日後に維新による擁立発表という形で「答え合わせ」が完了した形だ。
記者会見した藤田文武幹事長によると、矢上氏とは「立憲民主党時代から同じ委員会で交流があって、すごいちゃんとした人」だという。
石川氏は22年の参院選で比例区から出馬。立憲は比例で7議席を獲得し、石川氏は個人得票数で9位の「次次点」だった。
藤田幹事長「お一人お一人、慎重に選考させていただくということに尽きる」
この2人以外にも、7月12日に愛知15区(豊橋市、田原市)に擁立することを発表した関健一郎氏(44)も移籍組だ。関氏は17年に旧希望の党から愛知15区で立候補し、比例東海ブロックで復活当選。21年の衆院選には立憲から出馬したが、比例復活できずに落選していた。
藤田氏は次のように話し、さらに「移籍組」が増えるとの見通しを示した。
「立憲民主党さんの中でも、今の立憲民主党さんではダメなんじゃないか、そしてもしかしたら、維新とともに日本の改革をやれるんじゃないか、またはやりたいと思ってくださる方が、いらっしゃると思う。そういう方はお一人お一人、慎重に選考させていただくということに尽きる」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)
#立憲 支援者の皆様に報告❗️
— 矢上雅義 防災情報 (@masa_yagami) July 27, 2023
①前回の総選挙後、泉代表と党本部より #矢上雅義 の再出発の応援をいただきました
②しかし立憲熊本県連より #矢上 氏を望んでいません❗️との回答があったそうです
③それ以来、無所属です
④立憲支援者の皆様には心より感謝しております。