福岡市博多区内のJR鹿児島本線・南福岡駅で、左手にバッグを持った男性がホームから線路に降りて渡る様子が、駅近くに設置されたライブカメラに映っていたことが分かった。
切り取った映像がツイッター(X)で投稿され、危険な行為だと指摘されている。JR九州の広報部は、「鉄道事業法違反の疑いもありますので、事業者として見逃すことはできません」と取材に答え、警察に被害届を出すかなどを今後検討すると説明した。
2年前も、同じ場所のカメラに危険行為が映っていた
この男性は、黒いTシャツに茶色いズボン姿で、ホーム上を歩いて端まで来た。夕景の駅で、しばらく周囲をキョロキョロしてから、ホームの端に設置された階段で線路に降りる。さらに線路をまたいで、カメラの手前側に来たうえ、カメラ方向へ線路脇伝いに足早に近づいて来た。
男性は、鼻出しマスクをしており、線路脇の草むらに入って手前に消えた。
この間は、1分ほどだった。ツイッターでは2023年7月30日、映像を切り取った動画がいくつか投稿され、不正乗車ではないかと指摘された。動画が拡散して、まとめサイトも取り上げている。
元々の映像は、ユーチューブの「鉄道空港LIVEくまくまくま」チャンネル(@rail-airport-live)が、この日にライブ配信していた。このチャンネルは、鉄道ファンに電車を見せたり、天気や災害を確認したりするため、全国の5駅1空港近くで地権者と契約の上でカメラを設置している。
今回のシーンは、30日19時20分ごろにライブカメラに映っていた。
実は、21年8月23日も、同じ場所のカメラに危険な行為が映っていた。今回とは逆に、白いTシャツと黒い短パン姿の男性が線路脇を歩いて線路を横切り、ホームによじ登って奥の方に歩いて行った。
ライブ配信のチャンネルを管理する「やっちゃん」さんは8月2日、J-CASTニュースの取材に応じ、次のように今回のシーンについて述べた。
JR九州「通過列車も多い中、安全も確保されていないところ」
「この行為については特急も通過するので大変危険なのでやめてもらいたいです。ホームから線路に降りる前に特急が通過していたので人身事故、重大事故にならなくてよかったです。今回の行為は危険なのでJR九州さんには何らかの対策をしてもらいたいです」
2年前の映像に映っていた男性と同じ人物かどうかについては、分からなかったという。
今回の行為について、JR九州の広報部は8月3日、取材に対し、7月31日に客から問い合わせを受けるなどして把握したとして、次のように答えた。
「通過列車も多い中、安全も確保されていないところでホームから降りています。鉄道事業法違反の疑いもありますので、事業者として見逃すことはできません。警察に被害届を出すかなど、今後どうするかは社内で検討して決めます」
2年前のときは、警告文を掲示したほか、鉄線のバリケードを設置している。今回も、現場付近でこれらに加え、新たな警告文やバリケードを出して対応したといい、「駅に入るときは、改札口からお願いします」と訴えている。
今回映った男性について、2年前と同一人物かどうかは分からないとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)