「点を取るための工夫が見られない」 Bクラス転落危機のDeNA、指摘される「ベンチワークの問題」

   DeNAが勢いに乗り切れない戦いぶりを象徴した試合だった。2023年8月2日の広島戦(マツダ)で、相手を上回る11安打を放ちながら2得点のみと拙攻が響き、2-4で敗戦。2位・広島と4.5ゲーム差に広がり、4位・巨人に0.5ゲーム差に迫られた。

  • 横浜スタジアム(画像はイメージ)
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「今年は爆発力が感じられない」

   毎回のように塁上をにぎわせたが、本塁が遠い。

   2点差を追いかける4回、クリーンアップの宮﨑敏郎、牧秀悟、佐野恵太が3連打で無死満塁の好機を作ると、6番・大田泰示も右前適時打で続いた。1点差に迫りなおも無死満塁と一打逆転の場面を作ったが、7番・大和は一飛、8番・山本祐大が浅い右飛に倒れて三塁走者・牧はタッチアップできず。9番・浜口遥大が空振り三振と同点に追いつけなかった。

   9回も代打・梶原昂希の左中間適時二塁打で2点差に迫ったが、無死一、二塁の好機で桑原将志が二ゴロ併殺打と強攻策が裏目に。関根大気が遊ゴロと反撃は及ばなかった。

   スポーツ紙デスクは、「DeNAは個々の能力が高いが、得点を取るために足で揺さぶったり小技を仕掛けたりするなど工夫があまり見られない。選手の調子が良ければ打ち勝ちますが、そうでない時にベンチワークでいかに白星を積み重ねていくかという点で課題がある。昨年は8月に18勝6敗と大きく勝ち越してヤクルトと首位争いを繰り広げたが、今年は爆発力が感じられない。今の戦いぶりだと優勝争いどころか、Bクラスに転落する恐れがあります」と指摘する。

   投打でタレントがそろっているが、野球の質を高めなければ頂点にはたどりつけない。選手のテコ入れを含め、三浦大輔監督がチームをどうマネジメントしていくか注目される。(中町顕吾)

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