王座返り咲き失敗のドネア、地元メディア「年齢的衰え」指摘 「井上尚弥のようなパフォーマンスでなかった」

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   プロボクシングの世界5階級制覇ノニト・ドネア(フィリピン、40)が2023年7月30日(日本時間)、米ラスベガスで行われたWBC世界バンタム級王座決定戦に出場し、アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ、27)に判定負けを喫した。ドネアは22年6月の井上尚弥戦(大橋、30)戦に続いて2連敗となり、王座返り咲きはならなかった。

   試合は序盤ドネアが優勢に進め、3回には左フックでぐらつかせるなど見せ場を作った。中盤に入るとタフなサンティアゴが攻勢に出てドネアを苦しめた。その後もサンティアゴの手数は衰えず、40歳の5階級制覇を力で押し切った。

  • ドネア選手(写真:AP/アフロ)
    ドネア選手(写真:AP/アフロ)
  • ドネア選手(写真:AP/アフロ)

「まだやりたいのなら家族の意見を聞く必要がある」

   世界6階級制覇のマニー・パッキャオ氏(44)と並びフィリピンで英雄視されるドネアの敗戦を複数の地元メディアが報じた。

   地元フィリピンメディア「ABS-CBN」(WEB版)は、7月30日にドネアの特集記事を公開し、ボクシングアナリストのエド・トレンティーノ氏が独自に敗因を分析した。

   トレンティーノ氏は、ドネアが3ラウンドに左フックでサンティアゴをぐらつかせたところが最大のチャンスだったと指摘し、若いころのドネアだったらKOするのに何の問題もなかっただろうとした。

   そして4ラウンド以降のドネアに関しては、「私たちが予想し恐れていたように、40歳の白髪交じりのベテランのパフォーマンスであり、井上尚弥のようなパフォーマンスではなかった」とし、敗因として「年齢的な衰え」を挙げた。

   ドネアは19年11月にWBA・IBF世界バンタム級王座をかけて井上と対戦し判定負けを喫した。その後、WBC世界バンタム級王座を獲得し、初防衛後の22年6月に再び王者として井上と拳を交え2回TKO負け。今回の再起戦で黒星を喫し、井上との初戦以降、2勝3敗と負け越している。

   トレンティーノ氏は、「この敗戦でドネアは再起戦について考え直さなければならない状況に追い込まれた」とし、「(今後について)ドネアは家族と話し合い、相談しなければならない。まだやりたいのなら家族の意見を聞く必要がある」との見解を示した。

   米国の権威あるボクシング専門メディア「ザ・リング」(WEB版)によると、ドネアは試合後、現役続行を希望するも今後に関しては「(マネジャーの)妻と話し合う必要がある」と語ったという。ドネアの戦績は42勝(28KO)8敗。新王者のサンティアゴは28勝(14KO)3敗5分け。

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