29歳で仕事に迷い700日世界放浪→年収2000万円「民泊経営者」に人生一変 OLはなぜ副業を始めたのか

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「サラリーマン以外の働き方をしている人たちがいると知った」

   今後の仕事や人生に迷いを感じていた鳩子さんは「世界を放浪したい」という思いに駆られた。それから半年ほど過ぎた頃、ついに休職届を会社に提出した。鳩子さんは「今勤めている会社は本当に良い会社なんです」と話し、元々辞めるつもりはなかったと明かす。

――約2年間も会社を休職することに不安はありましたか。

「当時はブログが流行ってて、1人旅をする女性が結構ランキング上位を占めてたんですよ。その記事を読んでると、自分でも行けるんじゃないかと思って、世界一周旅行に行きたいなと思ったんですよね。
私はサラリーマンだったので、日本に戻ってきてまた働けば給料が入るじゃないですか。実家暮らしで家はあったので、もう貯金を使い切っちゃおう!ぐらいの気持ちで旅をしてました」

   会社から長期休暇の許可が下りた鳩子さんは、こうして約700日の世界放浪の旅に出る。そこで出会ったのが、鳩子さんの人生を変えた「民泊ビジネス」だった。

   自宅を民泊として貸し、旅に出ている1か月の間で稼ぐ友人の姿に衝撃を受けた。鳩子さんは「場所にとらわれず、自分がその場にいないのに稼げるというのは、私にとって考えられないものでした」と、当時の心境を本で振り返っている。

――米ニューヨークで出会った日本人の友達が民泊をしていたそうですね。

「そうなんです。その子はギターを弾きながら歌って投げ銭で旅をしてる人だったんです。そういう感じで何年間も旅をしていて、常にお金がなさそうな感じだったのに、(編注:民泊を始めてからは)ビールのバドワイザーを毎日ワンケース買って、MacBook Proの一番高いモデルを買って、ニューヨークからヨーロッパのエアチケットを買ったりしてました。それを見て、私も『これはいい!』と思ったんです」

――約2年間の海外旅行で変わった価値観はありますか。

「会社と自宅を往復するサラリーマンという働き方しか知らなかった自分が、それ以外の働き方をしている人たちがいると知ったことが、一番大きな発見でした。それまでは会社以外のコミュニティが全然なかったんですよね。ツイッター(現・X)みたいなSNSもやってなかったし」

   世界放浪の旅を終えた鳩子さんは、再び会社員生活に戻った。約2年間の休職後、また気軽に会社を休むことはできない。その当時「1か所でいいから、世界とつながれる場所がほしい、という思いが強かった」と本で述べている。

「世界一周旅行をする人って、みんな基本的に無職なんですよ。それで旅行が終わったら、何食わぬ顔で旅行とは関係ない仕事に就くんです。『世界一周なんかしたことありません』みたいな。私はせっかく珍しい体験をしたのに、その経験を隠して生きていかなきゃいけないのかなと思ったんです」
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