日本以外に「逃亡」しても「こちらが諦めるということはない」
福原さんはこの1年の間、子どもを連れてシンガポールに出かけたという情報もあり、江氏としては、福原さんが日本から離れてしまう可能性も懸念している。その際、渡航先で今回のような司法手続きを行う可能性を問う質問も出た。この点については
「どこの国に行こうと、どんなに従ってもらえないということであろうと、こちらが諦めるということはないというふうに認識している」(大渕氏)
「同じく私も諦めない。早く子どもに会いたい。そして弟をお姉ちゃんに会わせたい」(江さん)
などと応じた。大渕氏によると、渡航先がシンガポールであれば、ハーグ条約に基づいて日本側に引き渡しを求める方法もあるという。
会見終盤に大渕氏は、福原さんが長男を引き渡さなかった時の対応として、刑事告訴の可能性にも言及した。
「引き渡しが実現できなかった場合にどういうアクションをとるのかは、まだご本人さんと話し合っていないので今発表できることは何もないが、選択肢としては未成年者誘拐罪での告訴、そういったことが考えられると思う」
福原さんは記者会見に先立つ7月27日未明、日台の代理人弁護士連名による声明を微博(ウェイボー、Weibo)に掲載。声明では、江さんが記者会見で「元妻の福原愛さんが 『日本に滞在中に悪意を持って連絡を絶った』と糾弾しようとしている」と非難。両者による裁判は日本と台湾・新竹市の裁判所で審理が進んでいるとして、
「新竹地方裁判所の裁判官は、2023年3月27日午前10時からの法廷において、この家事事件の内容を公にしないよう指示しています。江宏傑氏には、裁判官の要求に違反しないよう強く求めます」
などと主張。メディアに対しても
「『児童及び青少年福祉権利保護法』などの法規を遵守し、未成年者の身元が明らかになったり、特定されたりするような内容を報道したり公開したりしないようお願いします」
と求めた。
大渕氏はこの声明を、
「二つの全く違うことを混乱させて書いている。非常に故意的なものを感じた。台湾の裁判所(での審理)は確かに継続しているが、それと日本における審判は全く別のもので関係ない。台湾の裁判所で日本の審判について公開してはいけない、ということを言うはずがない」
などと批判した。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)