高校野球「疑惑の判定」元NPB審判が見解 「どちらとも取れるプレー」「必要以上に批判されている」

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   元日本プロ野球元審判員の坂井遼太郎氏が2023年7月27日のツイッター(X)で、26日に行われた全国高校野球選手権・神奈川県大会の決勝での「疑惑の判定」に持論を述べた。

  • セーフのジャッジとなった(画像はイメージ)
    セーフのジャッジとなった(画像はイメージ)
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「合ってる合ってないは別として...」

   発端となったのは、26日に行われた神奈川大会の決勝、横浜対慶応義塾で起きた9回での逆転劇をめぐる判定だ。

   慶応が2点を追いかける展開で迎えたノーアウト1塁、横浜のショートが2塁正面に放たれた打球を捕球し、2塁ベースを蹴るような動きで送球した。

   こプレーについて、ショートが2塁ベースを踏まずに1塁に送球したという判定となり、ノーアウト1・2塁に。その後、横浜は逆転3ランを浴び、慶応の逆転勝利となった。記録はショートのエラーだった。

   ショートが2塁ベースを踏んだかどうかは、映像では判別しかねるものの、SNSでは高校の大会にはリプレー検証がないため、判定に納得できずにいるという声が上がった。

   横浜高校のOBでタレントの上地雄輔さんは同日、ツイッターで「よくやった...とゆーか、、神奈川県大会決勝。この試合かわいそ過ぎる気が...」と複雑な胸中を明かした。

   続けて「合ってる合ってないは別として高校野球にもリプレイ検証を導入してあげて下さい 急に子供の人生が変わります。俺みたいにとは言わないけど、本当に1プレイで急に進路や未来や野球の道が途絶える事があります。時間や人員の問題などあるのは分かるけどどうか 納得させてあげて」とも呼びかけている。

「確信を持って『セーフ』の判定していると思います」

   元NPB審判員の坂井氏は27日、「質問が多いので」として、ツイッターで判定への見解をつづった。

   「昨日の高校野球のプレイですが、複雑なルールの話ではなく、踏んだか踏んでいないかの話なので、私の経験をもとに書きます」とし、映像を何度も見直したものの「確証ある映像はありませんでした」とした。

   そのため「仮に、プロ野球のような映像検証があったとしても判定が変更されることはない」と指摘した上で、審判をする上での判断基準についてこう説明した。

「審判員は目だけではなく、音や選手の反応、その他、土であっても判定するにあたり武器になるものは全て使用します」

   坂井氏は審判員時代「今回のようなベースの角を蹴るようなプレイの時に、仮に足がベースに当たれば必ずその土が動いたり、ベースから落ちる」ことから、あえてベースに乗った土を払わないで審判を行っていたという。

   今回のプレー映像でははっきりとはわからないものの、「ベースに元々のっている土の模様が変わっていないことから、足がベースに触れていないのでは?」と考えたという。

   また、映像からでは確証はないものの、現場に立つ審判員としては確信を持って判定を行っていたはずだとした。

「ただ一つ言えることは、この判定は試合の勝敗を左右する局面かつ、タイミング的には悠々アウトのプレイにも関わらず『セーフ』を出したということは、当該審判は確信を持って『セーフ』の判定していると思います」

「SNS等で批判されることは想像以上のダメージです」

   騒動が過熱していることを受け、「アマチュア野球の審判の方が必要以上に批判されている姿は、とても悲しい気持ちになります。ましてや今回の様などちらとも取れるプレイで」とした。

   学生にとって重大な判定であることは、審判にとっても同じだとして過度な批判は控えて欲しいと呼びかけた。

「仮に数日経ってこの判定は正しかったとなっても、SNS等で受けたダメージは消えませんし、SNS等で批判されることは想像以上のダメージです」

   坂井氏は「個人的にはこのプレイより、この後ホームランを打った慶應義塾の渡邉千之亮選手を称賛する方が、本来のスポーツのあるべき姿ではないのかと思っています」ともしている。

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