高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
ビッグモーター不正請求問題に国交省・金融庁動く...行政対応の焦点は?

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国交省の処分は拡大するだろう

   不祥事が発覚してから、記者会見を行わなかったが、25日の会見で代表取締役だった兼重宏行氏の辞任が発表された。

   国交省の処分は6月までにもあったが、今後はこれがさらに拡大するだろう。

   金融庁はどうなるか。損保会社は、水増し請求をされたので被害者でもあるが、それだけでは金融庁が動くことはない。ここで、金融庁が動く根拠が、ビッグモーターが損害保険代理店であることだ。一部の報道によれば、自動車事故があった場合、損保会社はビッグモーターを紹介し、ビッグモーターは紹介数に応じて損害保険代理店として扱った自賠責を損保会社につないでいた。

   要するに、ビッグモーターが損保会社に水増し請求すると、損保会社も自賠責保険で儲かるという「もたれ合い」がある。損保会社からビッグモーターへ出向社員を派遣しつつも、水増し請求が長年慣行として行われてきた背景があろう。金融庁はその点に着目しているはずだ。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。


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