AKB48の衣装を展示し、活動を振り返る「AKB48 大衣装展~オサレカンパニーの世界~」が2023年7月27日、東京・丸の内の大丸東京店で始まる。
これに先立つ7月26日には関係者向けの内覧会が開かれた。展示されているのは「ブレーク前」の衣装から最新曲まで、全部で約250着。この規模で展示するのは、15年3月にさいたま市で開いた「AKB48衣装ミュージアム~衣装が語る少女たちのキセキ~」以来、8年ぶり。ミュージックビデオ(MV)でおなじみの衣装はもちろん、NHK紅白歌合戦やミュージックステーション(テレビ朝日)、日本レコード大賞(TBS)向けに製作された衣装も多数展示。多くの人にとって「見覚えがある衣装」に出会える展示だ。
18年の歴史で変化した衣装作りのコンセプト
展示コーナーに入ってすぐ視界に入るのが、シングル曲の衣装7着。前田敦子さんセンターの「フライングゲット」(11年)、大島優子さんセンターの「ヘビーローテーション」(10年)、指原莉乃さんの「恋するフォーチュンクッキー」(13年)など、「国民的アイドル」の楽曲として知名度が高い衣装だ。
次に見えるのが「言い訳Maybe」(09年)の衣装。第1回の「選抜総選挙」を受けて発売された楽曲で、上位に入賞した21人が着ることが許された衣装だ。AKB48の発足当初から衣装を担当してきた茅野しのぶさんによると、この衣装をきっかけに
「統一のコンセプトなんだけど、キャラクターというか、それぞれにちょっとずつ違う...というのがAKB48のアイデンティティになった」
という。茅野さんによると、18年のAKB48の歴史の中で、衣装を製作するコンセプトも変化してきた。ブレーク前は、優れた楽曲の「強さ」を背景に、「団体としての強さ」を強調。いわゆる「黄金期」では、「AKBってよく聞くけど、誰が誰か分からない」という声を背景に、板野友美さんは「ギャル」、小嶋陽菜さんは「ちょっとかわいいお姉ちゃん」といったように、メンバーごとの特徴が出るように工夫した。
今の衣装はメンバーの「等身大のスタイル」重視
今のAKB48のメンバーは「ビジュアルがすごくかわいい子たちが多くて、スキルもすごく高い」。衣装は、メンバーの「等身大のスタイル」を重視した上で、「ビジュアルもよく見えるようにちょっとシンプル目にして、でも、それぞれの個性が出るように1人1人コーディネーション」している。「どちらかというとトレンドを今の方が多く入れている」そうだ。
最新シングル「どうしても君が好きだ」(23年4月発売)の衣装も展示。全部で5種類あるうち、5月1日放送の「プレミアMelodiX!」(テレビ東京)で披露された「トラッド衣装」16人分が展示されている。
今回の展示の特徴は、8年前と比べて卒業ドレスの展示を増やした点だ。比較的古いものでは前田敦子さん(12年)から、最近は岡田奈々さん(23年)とHKT48の矢吹奈子さん(同)まで、全19着を展示。茅野さんによると、「(メンバーは)本当に人生をかけて、誇りを持ってアイドルをやっているので、そのアイデンティティをすごく大事にしたいと思っている」。メンバーにとっては「アイドル人生にピリオドを打って、次のステップを踏めるような」ドレスを、ファンにとっては「アイドル人生をともにしてきてよかった」ことを実感できるような「泣ける」ドレスを心がけているという。
会期は8月8日まで。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)