司法記者クラブで会見すれば「大手のマスコミは私の声を無視するかもしれない」
訴状によると、「通知」では、許可取り消しの理由を、長崎新聞に取材せずに批判したことで「共同の記者としての基本動作を怠った」などと説明。(1)重版の禁止(2)今回の経緯の公表の禁止、を通告した。
これに対して、石川氏は(1)「基本動作を怠った」のくだりで「名誉感情を侵害」された(2)表現の自由を行使する機会を奪われた(3)重版禁止で財産権を侵害された、などと主張している。
代理人の喜田村洋一弁護士は、
「私たちが思う正義を実現するためには、石川さんが勝って、共同通信社の偏見なり、構造的な欠陥なり、というものを明らかにしていくことが大事」
と話した。
石川氏は21年6月に長崎から千葉に異動。22年10月から半年間の育児休業に入ったが、休業復帰後の23年5月に、資料室にあたる調査部に異動し記者職から外された。
記者会見の場所に特派員協会(FCCJ)を選んだ理由を問われると、石川氏は
「同業の他社を批判するというのは、マスメディアはやりたがらないということを承知している。例えば、東京の司法記者クラブなどで記者会見を開いたとしても、いわゆる大手のマスコミは私の声を無視するかもしれないと考えた。FCCJであれば、様々な立場のジャーナリストが参加してくれるので、私の主張を理解してくださる方がいらっしゃるかもしれないのではないかと考えた」
と答えた。国内メディアの関心は低かったとみられ、パーティションで普段よりも記者会見場の面積を狭くして会見は開かれた。
共同通信社は記者会見を受けて
「今後、訴訟手続きの中で、当社の正当性を主張してまいります」
とするコメントを出した。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)