元官房長官長男に官僚ツイッタラー 次期衆院選、「大物候補者」続々参戦

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   次期衆院選に向けた候補者の擁立が各党で進み、東京でも混戦模様になりそうな選挙区が出てきた。

   東京8区(杉並区の一部)では、自民党の石原伸晃元幹事長(66)が21年の衆院選で落選し、参院へのくら替えを表明。支部長ポストが空席になっていたが、公募に応じた元経済産業省職員の門寛子氏(43)の出馬が2023年7月19日に発表された。門氏は、「かどひろこ(かすみがせき属)」の名前でツイッターアカウントを開設しており(現在は「かすみがせき属」を削除)、現役官僚としては異例のフランクなツイートで知られていた。

  • 次期衆院選では混戦模様になりそうな選挙区が出てきた(写真はイメージ)
    次期衆院選では混戦模様になりそうな選挙区が出てきた(写真はイメージ)
  • 次期衆院選では混戦模様になりそうな選挙区が出てきた(写真はイメージ)

フォロワー数は現職の倍

   門氏は資源エネルギー庁鉱物資源課の課長補佐や通商政策局通商戦略室長兼大臣官房ビジネス・人権政策調整室長を経て、21年11月に中谷内閣総理大臣補佐官付に出向。23年7月4日付の人事異動で辞職が発表されていた。

   門氏のツイッターのプロフィールによると、10年2月にアカウントを開設。22年2月時点で2万6800人のフォロワーがいたが、23年7月21日時点で3万2800人に増えている。ツイートが「バズる」こともしばしばで、特に反響が大きかったのが19年6月2日の以下のツイート。1万2000回リツイートされ、3万5000件の「いいね!」がついた。

某ママ「駅の階段でベビーカーを助けてくれる男性はみんなイケメンなんだよねー」
某男「そりゃ、若いママと赤ちゃん連れに声かけて不審者として警戒されない自信のあるやつなんだから、イケメンに決まっとる」

   現役官僚ならではのツイートも反響を呼んだ。18年7月18日の質問主意書についてのツイートは300回リツイートされ、600件の「いいね!」がついた。官僚の労働環境についてたびたび発言している河野太郎外相(当時、現デジタル相)もリツイートし、多くの霞が関や永田町の関係者の目にとまった。

今役所から電話があり、なぜか官房総務課様が主意書の答弁を今日みたいといいはじめ、保育園行く前にタクシー飛び込みながらにベタ打ちしたやつを手直しして決裁回す。
本当に残業時間規制するならこの国会周りの業務の簡素化、時間の弾力化をしないとサビ残広がるだけなんだが。

   21年衆院選では、立憲から出馬した吉田晴美氏(51)が13万7341票を得たのに対して、石原氏は10万5381票を得票。吉田氏が大差で初当選を果たした。

   吉田氏のフォロワー数は1万6500人で、門氏の半分程度。吉田氏は丁寧な地元活動に定評があり、門氏としては「地上戦」をいかに展開できるかが焦点になりそうだ。

東京6区、河村建一氏擁立に立憲は不快感

   6区(世田谷区の一部)も混沌とした戦いになりそうだ。7月19日には、日本維新の会が河村建夫・元官房長官(80)の長男・建一氏(47)を6区に擁立することを発表。6区は、17年、21年の2回連続で立憲の落合貴之氏(43)が自民の越智隆雄氏(59)を破って当選。越智氏は2回とも比例東京ブロックで復活当選している。21年の得票数を見ると、落合氏11万169票に対して越智氏10万5186票と、きわめて接戦だった。

   当時の維新の候補者の得票は5万9490票にとどまっていたが、建一氏は建夫氏の秘書を務めた後に21年の衆院選と22年の参院選に出馬した経験があり、7月19日に記者会見した藤田文武幹事長によると「政治経験も豊富」で「非常に良い人材」。維新は21年よりも票を伸ばす可能性がある。

   現職を抱える立憲は票を削られる可能性があり、不快感を隠さない。泉健太代表は7月21日の記者会見で6区の動向について問われ、維新を「基本的に自民党に寄り添っている、自民党に近い政党」と表現し、

「必ずしも野党の議席が伸びればいいというふうには思っていないところはあって、他の野党を、いかに打撃を与えて自民党とうまくやるか、そういうことを考えているんじゃないでしょうかね?」

と述べた。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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