「実際に住んでみて感じた、日本に住んではいけない5つの理由」(原文は韓国語)などとする動画を公開し波紋を広げていた韓国の旅行系ユーチューバー「ヨンチャン」さんが2023年7月20日、「日本で暮らさなければならない5つの理由」と題した動画を公開した。
「元々作ろうとした2部を悩んだ末にアップロードしました」
ヨンチャンさんは9日に「実際に住んでみて感じた、日本に住んではいけない5つの理由」とする動画を公開した。韓国の視聴者向けに撮影されたものとみられ、全編韓国語で作られており日本語翻訳などはないが、AFP通信(日本語版)にも記事を提供している韓国系の日本語メディア「KOREA WAVE」が16日、この動画を記事で紹介。「韓国ユーチューバー、日本に住み、うんざりした『五つの違和感』」とのタイトルで、大手ポータルサイトにも掲載され、大きな注目を集めた。
日本に住む際のデメリットを挙げた内容に、インターネット上ではヨンチャンさんへの批判も出る状況となった。ヨンチャンさんは元動画にコメントをつけ、自身の思惑とは違った形で動画の内容がニュースとして拡散されたとして反論した。「2編(続編)は日本の良さを紹介する映像を作っていたのにこうなって残念です」としていた。
20日に公開した動画「日本で暮らさなければならない5つの理由」では、日本について感じた良いところを紹介した。概要欄でも日本語で、「私は日本が嫌いではありません。ただ留学生時代の経験を話しただけで 日本旅行をして漠然と日本に住みたいという人たちに何か問題があるかもしれないことを教えてくれました。明らかに個人的な考えだと言いました」と再度釈明し、「元々作ろうとした2部を悩んだ末にアップロードしました」と続編の動画を公開するか葛藤したとしている。
「逆に韓国人が好きな人が多かった」
動画では韓国で「日本のニュースに登場したヨンチャンです」と挨拶し、「日本に住むのは良いことです」と切り出したヨンチャンさん。第一に「時間の多さ」を挙げた。「韓国にいる時と比べるのが難しいほど、多くの時間があります」とし、祝日の多さをあげた。多くの会社で年間120日程度の休日があるとも説明。「ゆったりとした生活を楽しんだり、自己啓発に投資することができます」とした。
続いて「珍しい文化」として、コンビニエンスストアや自動販売機、トイレなどが韓国とは違うとした。日本のコンビニは韓国と違い、多種多様な品揃えがあり「販売しているほとんどすべてがおいしいです」と紹介。「便器の上に洗面台がある」トイレが珍しいことや、水道水をそのまま飲めることなども語った。
3つ目には「韓国人に好意的」な日本人が多いことを挙げ「インターネットのコメントがすべての日本人を代表する考えではないと思います」とした。ヨンチャンさん自身、韓国人を嫌う日本人に会い傷ついたこともある一方、「逆に韓国人が好きな人が多かった」とした。
4つ目に挙げたのは「市民意識」。ヨンチャンさんは日本を訪れ、「いつも道にゴミがない」ことに驚いたという。タバコをポイ捨てせず、携帯用灰皿を持ち歩く人が多いことにも触れ、「電車でも静かで、秩序を守る。そんな姿に本当に感心しました」とした。
5つ目には「1人暮らしのよさ」を挙げた。人によって感じ方は異なるとしつつ、「少し寂しかったこともあったけど、好きな人は1人暮らしがとても良いです」とした。静かで落ち着いた暮らしができるという。
ヨンチャンさんは前回語った日本のネガティブな要素と、今回のポジティブな要素を加味して、日本への旅行や移住について考えてみてほしいと呼びかけた。「日本に旅行するのは本当に最高だと思います」としている。
「私は今静かな怒りを感じています」
ヨンチャンさんはコメント欄でも、前回の動画について釈明している。
「映像の目的は日本旅行に行って日本に幻想を抱いて(編集部注:日本で)生きたい韓国人に私が経験した経験を分かち合う目的でした 私のチャンネルは日本人がほとんど見ないので もともと日本の字幕も別に作りません というわけで 当然韓国人に合わせて制作された映像で 映像全体の流れと脈絡を見てこそ、きちんと理解できる内容です ヤフージャパンの記事のように断片的な情報では理解できません」
たとえば「日本の物価が高い」とした部分では、基本的に日本食は安いが、たまに食べる韓国料理が高いという意味だったと説明。「外国で自分の国の食べ物を食べる時、物価が高いということは 当然かもしれませんが、いざ経験したら大変なことです」とした。
「日本に良い感情を持って旅行するために立ち寄った外国人が感じたことを理解していただければ幸いです」としている。
さらに「記事で接して誤解を持つ方が多くて残念です」とし「これは僕がコメントを書いた人たちではなく記事自体に怒った理由です」と怒りを表した。
「人々の目を覆って韓国人を非難させる目的で 再生数1000しか出ていない映像まで持って行った後 まともな説明なしに記事を書いてこの事態を作ったこと 私は今静かな怒りを感じています」
一方、「胸の痛むコメントに傷ついても日本と日本人を恨みません この文を読んでくれた人だけでも私の本心を感じてくださったら ただ感謝するだけです」としている。