「人手不足で路頭に...」秋田豪雨被害のゲーセンが泥出しSOS→約20人集う 店感動「一生の宝物」

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   秋田県での記録的な豪雨による浸水被害を受けたスロット専門ゲームセンター「エスパソ」(秋田県秋田市)が2023年7月17日、公式ツイッターで「泥出しのお手伝いできる方おりますでしょうか」とSOSを発信し、その後約20人のボランティアが集ったと報告したことが話題となった。

   エスパソの担当者が19日、J-CASTニュースの取材に応じ、店内の被害を目の当たりにした当時は「心が折れました」と明かした。その中でボランティアの人々が集まり、作業を手伝ってくれたことに「この御恩は一生の宝物となりました」と感謝を伝えた。

  • エスパソ ゲームセンター公式ツイッター(@espaso_game6)より
    エスパソ ゲームセンター公式ツイッター(@espaso_game6)より
  • エスパソ ゲームセンター公式ツイッター(@espaso_game6)より

ボランティアの作業で営業再開の兆しが見える

   エスパソは公式ツイッターで、床が泥まみれになった店内の動画とともに

「大変おこがましいお願いです
どなたか、泥出しのお手伝いできる方おりますでしょうか
人手不足で路頭に迷っております
水でます
照明と空調設備は生きてます!」

と投稿。「役に立つか分かりませんが手伝いに行きます!」「応援しか出来ませんが無理せず頑張って下さい」と、手伝いに行くという声や応援の声が寄せられた。中には「明日夜行バス乗ります!」と遠方から向かうというコメントも見られた。

   その約8時間後、

「皆様!
ホントにホントに感謝です
約20名程のボランティアの方々が来て頂きまして、想像以上に作業が進み、絶望的な気持ちから希望へと気持ちが上書きされました
世の中、お金も大事ですが、もっと大事なのは、人と人の繋がりの絆と、人が誰しも持っている良心だと痛感致しました」

と、ボランティアが集まり作業が進んだことを感謝の言葉とともに報告。同時に作業の様子を映した動画も投稿した。動画では、8時間前には泥で覆われていた絨毯の泥が除かれ、作業が進んだことがうかがえる。さらに2日後の19日、スタッフ3人で作業ができるようになったとし、「再開の兆しが見えて参りました!」とも報告している。

被害の状況は「入口自動ドアの下部も見えませんでした」

   14日からの被害の状況について、エスパソの担当者は取材に対し詳細を明かした。

「当時はまだ店内にお客様がいたのですが、携帯の避難アラー厶で自発的に避難されて行きました。外の風景を確認すると、まだ道路のみ水がある感じでしたが、それでも(自動車の)タイヤの3分の1が隠れるくらいでした。その後、お客様全員の店内からの避難を確認し、私も電気や戸締りの最終チェック等をしたのですが、その時にはトイレからボコボコと空気が出てきて、少し水が増していました。外に出た時には既に水が道路から駐車場の3分の1くらいまで迫っていて、慌てて高い方へ高い方へ車を走らせました。道路は水面に車の車体がつくくらいまで一気に水が上がってきていました」
「翌日店が気になり、寸断されている道を避けながら、普段ですと自宅から15分程の距離を1時間掛け向かいました。近くまで行ったところで急に水が深くなり、店に近づく事ができませんでした。遠目から確認したところ、駐車場は泥水で隠れており、入口自動ドアの下部も見えませんでした」

   店内の浸水は、泥の跡から床上約10センチ程だったと確認できたという。

「1日も早くもう一度楽しんで頂きたい」とSNSで呼びかけ

   ツイッターで手伝いを募集した経緯はこう明かした。

「店内に入ると白い床が全く見えず、歩くたびに波打つ泥水に心が折れました。約190坪全域に泥が広がっており、どこに頼んでどう依頼すればいいのか分からず......。それに膨大な作業を考えると、体の力が抜けて椅子に座り込んでしまい、途方に暮れてしまいました。スタッフは私を含め3名です。しかし、足元にイベントの時の写真が沈んでいるのを見つけ、お客様の楽しそうな笑顔を見ていたら、1日も早くもう一度楽しんで頂きたいと思い、思い切ってSNSで呼び掛けてみました」

   手伝いには常連客のほか、たまたま投稿を見た人や近所の人も来てくれたという。ボランティアは投稿から1時間ほどで集まり、道具も持参していた。自ら率先して手際よく作業してくれたといい、エスパソの担当者は「知らずにチームワークができ、連携を取りながら作業をしていただきました」とした。集まった人々は5時間ほど作業したという。

   一方で、

「ホールの3分の2は絨毯なので、ドロを掻き出した後に高圧洗浄機で洗う二度手間と、泥がペースト状なためなかなか取れ難いのが大変でした」

   と、思うように進まない作業もあったという。

「一歩踏み出す勇気をお客様から学びました」

   今回、常連客をはじめ多くの人から手伝いに行く旨の宣言や励ましの声が寄せられたエスパソ。普段の利用客への接し方についても聞いた。

「常連様でも初めてのお客様でも、ホールに入場してからはテーマパークと同じだと考えています。当時の思い出が蘇ってくるはずですので、懐かしさを思う存分楽しんで頂きたいです。その世界観を大切にしたいので、極力こちらから当時のお話などお声がけするようにしています。また、毎月必ず出玉イベントを開催し、ご来店頂いたお客様全員に満足して帰って貰えるように努力しています。そのほか、臨機応変かつ柔軟に対応していますので、多少のご要望にもお応えできているとは思います」

と、昔懐かしいスロットゲーム機を扱う同店ならではの思いを語った。

ツイッターでの発信で多くのボランティアが集ったことについては、

「今回改めて、一歩踏み出す勇気をお客様から学びました。自ら行動を起こすのはなかなかできないと思いますが、これからは私自身も誰か困っている人が救われるのであれば、見返りなど求めず、ただ助けてあげたい、それだけで行動しようと思いました。この度は、改めてお手伝い頂きました方々に深く感謝申し上げます。また、数多くの励ましの言葉も頂戴し、重ねて深く感謝申し上げます。この御恩は一生の宝物となりました。そしてとても幸せを感じました」

と感謝の気持ちをコメントした。

   現在、絨毯が乾き消毒も完了、これから電源チェックをするという。再開の予定については、「お盆前に始められれば」とした。

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