国外逃亡しなければ「悲劇的な茶番劇の餌食になっていた」
その上でゴーン氏は、国連人権理事会の「恣意的拘禁作業部会」が20年、ゴーン氏が日本で受けた勾留について「4度にわたる逮捕と勾留は根本的に不当」だとする意見書を公表したことに言及。報告書では、日本政府はゴーン氏に賠償すべきだとしていることに触れて、
「これは私の弁護士ではなく、国連の専門家が求めていることだ」
「報復ではなく、自分の権利の一部を取り戻そうとしている」
などと主張。
「私はただ、犯罪者や陰謀を企てた者たちがベッドの中で静かに眠れないようにしたいだけだ」
とも話した。
日本から逃亡したことを後悔しているか、との質問には、仮に日本に残っていれば、日産や検察官による「悲劇的な茶番劇の餌食になっていた」として「まったくしていない」と答えた。
特派員協会の会見場では、日産がゴーン氏に対して起こしている民事訴訟でゴーン氏の代理人を務めている郷原信郎弁護士が、
「私はゴーン氏に日本にとどまって刑事裁判を受けてもらいたいと思っていたが、今改めて振り返ってみたときに、果たして今の日本の刑事司法のシステムのもとで、ゴーン氏に対して公正な刑事裁判が行われただろうか、ということを考えると、結果的にはゴーン氏がこのような選択をしたのも、やむを得なかったと思うぐらい、日本の刑事司法のシステム、特に検察が特捜部の組織で行う捜査・起訴は極めて不当なもの」
などと話し、ゴーン氏と同様の考えを示した。
日産自動車の広報担当者はゴーン氏が起こした訴訟について「ノーコメント」としている。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)