北村晴男弁護士が2023年7月17日に公開したYouTube動画で、お笑いコンビ・オリエンタルラジオの中田敦彦さんによるダウンタウンの松本人志さんへの提言騒動をめぐる質問に回答した。
「松本人志か?辞めたら賠償請求されるの?」
中田さんは5月29日に公開した動画で、「全部のジャンルの審査委員長が松本人志さんっていうとんでもない状況なんですね」と指摘。松本さんに向け「審査員ちょっと何個かやめてくれないですか?」などと提言し、波紋を呼んでいた。
北村弁護士は「オリラジ中田審査員辞めろ発言 松本人志が辞めたら賠償請求されるの?」との動画で視聴者から寄せられた質問に回答した。
中田さんの提言を理由として松本さんが審査員を辞退し、番組のスポンサーが離れた場合、テレビ局や代理店は中田さんに対して損害賠償請求ができるのか?というものだ。
質問者は「松本さんがいるからこそ番組のスポンサーがついている」とし、提言をきっかけに松本さんが審査員を辞めてしまったとしたら、テレビ局や代理店は損害を被るのではないかと考えた様子。
北村弁護士は、「結論から申し上げると、損害賠償請求は1ミリもできません。これはもう明らかです。どんな弁護士に聞いても、結論は明らか」とした。
その理由を「松本さんが辞める・辞めないは、誰がどういう批判しようが決めるのは松本さんだし、あるいは決めるのはテレビ局だし、ということですね」と説明した。
審査員の決定や降板に際しては「決して中田さんが事実上の影響力を行使することはできませんから」とし、「全く因果関係がないということになります。少なくとも、法律上の因果関係はなし」という。
「『風が吹けば桶屋が儲かる』式な、そういう意味の条件関係はあるというケースもあるかも知れませんが」と断りを入れ、法律上の因果関係はないと論じた。
仮に松本さんが提言を受けて悩んだり、番組が対応を講じたりという流れがあり「因果の流れはある」とは言えるものの、辞退の決定には「松本人志さんという人の自由意志、自由の判断がありますし、あるいはテレビ局、番組制作サイドの自由な判断が入ってますから」という。
こうした理由から、北村弁護士は「これはいわゆる『相当因果関係がない』っていうことになります。なので法律上は因果関係なしということで損害賠償請求は1円も認められません」とした。降板の決定は、「番組サイドや松本さんの自己責任で行うことになります」とした。