陸上女子のユニ、盗撮懸念もなぜ露出多い? 元箱根ランナー、スポーツメーカー、弁護士らに聞いた裏事情

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「なぜ盗撮犯のために、選手がユニホームの選択肢を減らされないといけないのか」

   日本陸上競技連盟(陸連)で評議員・法制委員会副委員長を務める工藤洋治弁護士にも見解を聞いた。

   アスリートの盗撮問題に関して、1.ユニホームが悪い、2.撮影を全面禁止すれば良い、3.マスコミが悪いという3パターンのネガティブな意見があがることが多いという。

「ユニホームに関しては、選手は、何を着ようと、誰にも何の迷惑もかけていません。これに対し、加害者は必ず匿名で、一方的に卑猥な文言と共に拡散している。卑怯なんです。なぜそんな人たちの存在を理由に、選手のユニホームの選択肢が減らされないといけないのか。あたかもユニホームが悪い、いかにも自衛行為をしていない人が悪い、あるいは取っていないんだから(盗撮されても)仕方ないといった雰囲気になりやすい。
ユニホームの機能を論証する必要など選手にはないんです。動きやすいからという人もいれば、自分のテンションが上がるからという人もいるでしょう」

   陸連が4月26日に発表した「リレー種目におけるユニホームのルールの解釈について」では、リレー種目はチーム内で同一ユニホームを着る決まりがあるものの、デザイン・配色が同じであればタイプは違って良いと通知している。

   工藤弁護士は「それぞれ好きなユニホームを着るのに、それ以上の理由なんかいりません。機能を論証する必要もありません。パフォーマンス云々以前に、好きなものを着る自由があるべきです。中には盗撮犯が嫌だからセパレート型を着たくないと思う人もいるでしょう。一方で、盗撮は嫌だ、でも自分はセパレート型を着たいという人もいる。でもそれは別に盗撮されても構わないと思っているわけではありません。どちらの自由も尊重されるべきです」という。

   盗撮問題をめぐっては、これまで条例で盗撮犯が処罰されてきたが、新たに「撮影罪」が7月13日に施行される。工藤弁護士によれば、着衣の上からの撮影行為は処罰の対象外と課題もあり、附帯決議では「アスリートや客室乗務員に対する盗撮が社会問題となっていることを踏まえ(中略)性的な意図をもって撮影する行為等を規制することについて検討を行うこと」と記されている。

   工藤弁護士は、立件される事例ができたりアスリートの盗撮問題が報じられたりすることで、抑止効果につながると期待する。

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