女性アスリートが露出したユニホームを着用する理由とは
なぜ女性アスリートは、男性アスリートと違い、ビキニタイプのセパレート型ユニホームを着ているのか。
スポーツライターで箱根駅伝経験者の酒井政人さんは「動きやすさ」「カッコよさ、オシャレ」を理由に挙げる。陸上競技の場合、世界のトップ女子選手はセパレート型ユニホームがスタンダードだとし、「女子選手にも憧れの選手を真似したいという考えは普通にあるんじゃないでしょうか」という。
「国内でもトップ選手がセパレート型ユニホームを着るようになると、2003年のインターハイでセパレート型ユニホームを着た女子選手が大活躍。数年足らずで、全国大会に出場する高校はセパレート型ユニホームが中心になりました」
スポーツ用品大手ミズノも「動きやすさ」を理由に挙げている。
「経緯としては、トップ選手がセパレートを多く着用し始め、セパレートを着用することが強い選手のステータスになっているという事があります」
スポーツ用品関係者は、合理的な理由として体の可動域が広がることを挙げている。セパレート型ウエアだと空気抵抗が少なく、腕や足の可動域が向上するという。また女性は胸部のサポートになり、短距離でプラスに働くと指摘する。
その時代のスタイルや価値観、先入観が影響している面もあるとする。世界的にトップクラスの選手が着ているものが流行る傾向にあり、2008年の北京五輪前後に海外でセパレート型ウエアを着る選手が出始めると、日本の陸上でも取り入れられ始めた。
では、なぜ男性アスリートはセパレート型ユニホームを着用しないのか。
酒井さんは「男子で流行していないから」だとする。「セパレート型ユニホームを着て大活躍するスーパースターが現れれば、男子でもセパレート型ユニホームを着る選手が増えると可能性はあります。なお、男子選手のユニホームも流行があり、年々微妙に変化しています」と分析する。
ミズノは「女性と同じ形ということは、男性がブラジャー型のトップスを着用することになります。そのような形のウエアはこれまでニーズがありませんでしたので、広まらないだろうと判断しています。男性は半袖もしくはノースリーブのお腹の隠れるタイプを着用しています。それで動き易さを確保できていると思われます」と見る。
スポーツ用品関係者は、男性アスリートは、ストレッチ素材のシャツや短距離ではスパッツがパフォーマンス向上のために主流だという。