中古コスプレ衣装販売店やフリマアプリでの売買は?
楽栄が販売していた衣装を購入・所持するコスプレイヤーが罪に問われることはあるのか。渥美弁護士は次のように答える。
「商標が含まれる衣装であっても、自己使用を目的に購入したことに問題はありません。 ただ今回の件で、楽栄で販売されていたプラグスーツの衣装は著作権を侵害するおそれのあるクオリティでしたので、その衣装を用いたコスプレ写真をインターネット上にアップするのは著作権を侵害する恐れがあります。ただし著作権は基本的には親告罪で、著作権利者がファンの活動にまで言及されるかは分かりません」
一般的にコスプレ衣装は1万円を超える。若い人々にとっては高額で日常的に着用するものでもないため、数回着用した後に中古コスプレ衣装販売店やフリマサイトに売ることもある。楽栄で購入した衣装を売ったり、その衣装を購入したりすることに問題はあるのか。
「自分で着用した衣装を中古コスプレ衣装販売店やフリマアプリで1、2着程度の出品をすることが、商標としての使用行為に該当すると見られる可能性は低いと思われます。これらの衣装を他のコスプレイヤーが購入することも、自己利用の範囲にとどまれば問題ないでしょう。 商標は誰がサービス・商品を提供しているのか出所を示すもので、それを保護します。それに関係ない使用行為については制限していません」
楽栄はどうなるのか。松永弁護士によれば、今回報じられた「書類送検」は、警察が検察官に対し事件の記録を送る手続きを指しており、警察が事件として扱っていることがわかるタイミングの1つだ。警察には様々な相談が寄せられているが、外部からみて警察がいつ相談内容を事件として取り扱うようになったのか判断するのは難しいため、逮捕者が出ていない事件においてはこの手続きが取られたタイミングで事件として報じられることがある。
今後は、検察が起訴をすれば刑事裁判がはじまる。松永弁護士は「おそらくこれまでに著作権者からの被害相談があり、事情聴取が行われていたでしょう」と推測する。