残塁12という数字が拙攻を物語っていた。
巨人が2023年7月13日の広島戦(東京ドーム)で延長11回の末に敗れて2連敗。貯金1に減り、3位の広島と2.5ゲーム差に開いた。
「ラインアップだけ見れば凄い打線ですが...」
延長11回に集中打を浴びて5失点と力尽きたが、救援陣は責められない。敗因は再三の好機で決定打が出なかった打線だ。4回に吉川尚輝の中犠飛で先制したが、その後は本塁が遠い。同点で迎えた8回1死一、三塁の勝ち越し機で一塁走者・岡本和真に代走を送ったが、2死満塁で吉川が凡退。9回1死満塁のサヨナラ機も秋広優人が空振り三振に倒れ、代走からそのまま4番に入っていた中山礼都も投ゴロで無得点。結果論だが、岡本を途中交代させたことに広島バッテリーは助かっただろう。
今季ブレークした秋広と、岡本、中田翔、丸佳浩ら強打者がズラリ並ぶ打線だが、破壊力があるとは言えない。285得点はリーグ4位。得点圏打率を見ると岡本が.222、中田が.214、丸が.196、大城卓三が.194と軒並み低い。
スポーツ紙デスクは、こう指摘する。
「自分で決めようとする意識が強すぎるのか、チャンスの場面に力んでミスショットやボール球に手を出す傾向がみられる。機動力を使うチームではないのでバッテリーは打者に集中すればいいという側面もあると思います。ラインアップだけ見れば凄い打線ですが、連動していないので怖さがない。打順の組み替え、選手の入れ替え、作戦面の見直しなどを含めて首脳陣は色々考えていると思います」
チーム本塁打の90本はリーグ断トツトップだが、好投手から一発はなかなか出ない。逆転優勝に向け、得点力を上げることは最重要テーマになる。(中町顕吾)