特派員協会では「専門家の立場と相反する主張」展開
7月12日には東京・丸の内の日本外国特派員協会で記者会見し、メディアに対して放出の中止を訴えた。韓国メディアからは、その内容も批判されている。処理水に含まれるトリチウムに関する質問に対して、尹才鉀(ユン・ジェガプ)議員は
「トリチウムが体内に蓄積され、DNAやRNAの変異を引き起こす可能性がある。さらに、血液がんや奇形児の危険性がある」
と発言した。朝鮮日報は、これを
「他の原発でもすでにトリチウムが排出されており、海水に希釈されれば人体に影響を与えない、という専門家の立場と相反する主張」
だと批判している。
一方、岸田文雄首相と尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が訪問先のリトアニアで行った日韓首脳会談については、高く評価している。日本外務省の発表によると、岸田氏は
「海洋放出の安全性に万全を期し、自国民及び韓国国民の健康や、環境に悪影響を与える放出は行われない」
旨を述べたのに対して、尹大統領は
「IAEA包括報告書の内容を尊重すること」
と求め、韓国政府の立場を説明している。
「国民の力」ユン報道官の7月13日付けの談話では、首脳会談が
「福島の処理水放流に関する議論を通じて、ねじれた結び目を解く転換点を作った」
として、成果を次のように強調した。
「タイトな外交日程の中でも緊密なコミュニケーションを続けた今回の首脳会談は、日韓シャトル外交の完全な復元を示している。両国の努力は未来志向的な成果につながるだろう」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)