負ければ4位転落の広島。危機を救ったのは森下暢仁だった。2023年7月12日の巨人戦(東京ドーム)で今季初完封勝利を挙げ、5勝目をマーク。4番の西川龍馬が右脇腹肉離れで戦線離脱し、攻守の要の菊地涼介も前日の四球で欠場する苦しいチーム事情の中、敵地で109球の熱投を繰り広げた。
ヒーローインタビュー中に...
立ち上がりから快調だったわけではない。
初回に1死二、三塁。3回に1死満塁のピンチを背負ったが得点を許さない。イニングを重ねると調子が上がり、6回以降は二塁を踏ませない。ナインも再三の好守で森下を盛り立てた。7回無死一塁で中田翔が放った三遊間へのゴロを、小園海斗が逆シングルから華麗なスローイングで併殺打に。小園は打撃でも5回に決勝打となる2号右中間2ランを放ち、攻守で躍動した。
森下の完封劇にスタンドの広島ファンが盛り上がる中、思わぬ注目を集めたのが試合後のヒーローインタビューだった。
グラウンドにせり出した三塁側シートで極楽とんぼの山本圭壱が立ち上がり、森下の背後で映像に映り込んでいた。また、森下が後ろを振り向いた際に声を張り上げて話しかける場面もあった。
山本は熱狂的な広島ファンで知られる。この場面はネット上で話題になり、面白がる声があった一方で、「森下が主役なんだから控えめにしてほしい」広島ファンとして、山本さんが悪目立ちするのはあまりいい気持ちはしない」などの声も出た。
スポーツ紙記者は、「広島の勝利で山本さんはテンションが上がってしまったのでしょう。本人も反省していると思います。周囲のお客さんに迷惑を掛けたり、ルール違反というわけではないですが、今後は節度を守って応援してくれると思います」と語る。
広島は19年から4年連続Bクラスと低迷していたが、今季は優勝争いに食らいついている。西川不在の状況も、熱烈なファンの声援を力に変えてチーム一丸で乗り越えたい。(中町顕吾)