新幹線「のぞみ」に女性専用トイレなぜ無い? ツイッターで要望拡散、JRに実情を聞いた

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   JR東海道・山陽新幹線を走る「のぞみ」車内で、女性専用トイレがなかったのはおかしいと、ツイッターで意見が投稿され、反響を集めている。

   男女共用だと嫌がる女性も多いのではないか、というのが理由だ。なぜ女性専用トイレがないのかについて、JR東海などに話を聞いた。

  • 新幹線にある女性専用トイレ(写真:渡辺広史/アフロ)
    新幹線にある女性専用トイレ(写真:渡辺広史/アフロ)
  • 東海道・山陽新幹線は女性専用がない(写真:渡辺広史/アフロ)
    東海道・山陽新幹線は女性専用がない(写真:渡辺広史/アフロ)
  • 新幹線にある女性専用トイレ(写真:渡辺広史/アフロ)
  • 東海道・山陽新幹線は女性専用がない(写真:渡辺広史/アフロ)

JR東日本は、管内の多くの新幹線で女性専用があると説明

   この意見は、2023年7月3日にツイッターで投稿された。

   のぞみのトイレには、男性小用、男女共用、多目的の3種類があったが、女性専用はなかったと、それぞれの写真を投稿した。そのうえで、多目的トイレがある以上、男女共用を女性専用にするべきではないかと疑問を呈した。

   この投稿は、大きな反響を集め、2万8000件以上の「いいね」が押されている。女性専用がないトイレは新幹線で定着しているのではないかとの指摘が出た一方、「やっぱりトイレは女性専用が欲しい」などと共感の声も多かった。

   東海道・山陽以外では、多くの新幹線で女性専用トイレが設けられていた。

   JR東日本の広報担当者は、J-CASTニュースの取材に対し、東北・上越など管内の多くの新幹線で女性専用トイレがあると答えた。女性専用がない新幹線は、在来線にも乗り入れる小型のタイプなどがあった。

   1982年の東北・上越新幹線開業当初は、女性用トイレは設置していなかった。しかし、利用者のニーズを踏まえて車内設備を検討した結果、「お客さまにより快適に列車をご利用いただけるよう、1996年より新幹線車内に女性用トイレの設置をはじめました」と明かした。

   トイレは、男性小用、男女共用、女性専用、車イス対応などが目的の多目的と4種類があるという。「トイレをはじめとした車内設備については、ご利用されるお客さまニーズの動向等を踏まえ、その都度適宜判断し検討、導入を進めております」と説明している。

   北海道新幹線は、東北新幹線に乗り入れており、JR北海道は、女性専用トイレがあるJR東日本の新幹線と共通の設計になっていると取材に答えた。

   それでは、東海道・山陽新幹線については、どれだけの車両に女性専用トイレがないのだろうか。

東海道には女性専用なく、JR東海「現行が適正と考えている」

   JR東海の東京広報室は7月11日、取材に対し、「現時点で、東海道新幹線のトイレは男性小便用トイレ、男女共用、多目的の3種類です」と答えた。とすると、のぞみも含めてどの車両にも女性専用トイレはないことになる。

   女性専用を設けていないことについては、「車内のトイレにつきましては、限られた空間において一定の座席数を確保しながら設置をいたしておりますが、現在のご利用状況をみますと、現行が適正であると考えております」とコメントした。そのうえで、「今後とも、お客様のご利用状況を踏まえながら、サービス改善に努めてまいります」と述べた。

   また、JR西日本も、東海道新幹線に乗り入れている山陽新幹線については、のぞみも含めて女性専用トイレはないと取材に述べた。一方、新大阪駅を発着して九州新幹線に乗り入れているJR九州と共同開発の新幹線については、女性専用があるとした。北陸新幹線にも、女性専用があるという。

   東海道乗り入れに女性専用がない理由については、「男性用トイレを設置して利用していただいており、女性の方が男女共用トイレを利用しやすくなっています」と説明した。今後、女性専用を設置するのかについては、「現在は、予定していませんが、女性専用がほしいとのご要望を踏まえて、今後検討したいと考えています」と話した。

   JR九州も、JR西日本と同様に、女性専用トイレがある新幹線とない新幹線が分かれていた。

   山陽新幹線に乗り入れている九州新幹線に女性専用があるものの、それ以外と西九州新幹線は、女性専用はないと明かした。

   その理由については、「新幹線の構造上、設置できるトイレの数が限られており、男女共用でお願いしています」と説明した。クレームがあるかについては、「女性専用がほしいと感じておられる方がいるかもしれないですが、広報では把握していません」と述べた。今後についても、構造的な理由から女性専用を設けることは考えていないとしている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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