プロボクシングの世界5階級制覇ノニト・ドネア(フィリピン、40)が2023年7月15日に米ネバダ州ラスベガスで行われるWBC世界バンタム級王座決定戦に出場する。同級4位アレクサンドロ・サンティアゴ(メキシコ、27)と王座を争う。
ドネアは22年6月に井上尚弥(大橋、30)と世界バンタム級3団体王座統一戦を行い、2回TKOで敗れた。以降リングから遠ざかっており、今回の王座決定戦が復帰戦となる。WBC世界バンタム級王座は以前に保持していたもので、王座返り咲きを目指す。通算成績は42勝(28KO)7敗。
「ドネアにとってサンティアゴは難しい相手になる」
対するサンティアゴは27勝(14KO)3敗5分の戦績を誇る。18年9月に1階級下のIBF世界スーパーフライ級王座に挑み1-1で引き分けた。その後、WBCインターナショナルバンタム級王座、メキシコスーパーバンタム級王座を獲得し世界ランクを上げ、王座決定戦の切符を手にした。
40歳にして再び世界のリングに上がるドネア。フィリピン地元メディア「GMANEWS」(WEB版)は、7月10日にドネアの特集記事を公開し、地元のボクシングアナリスト、エド・トレンティーノ氏が展望を語った。
トレンティーノ氏は、「ドネアにとってサンティアゴは難しい相手になると確信している」とし、「厳しい戦いになるだろう」と予想したという。
トレンティーノ氏が根拠に挙げたのが18年9月の世界戦だ。サンティアゴはIBF王者ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)に挑戦し1-1で引き分けた。トレンティーノ氏は「試合は引き分けに終わったが、多くの人がアンカハスが負けたと思ったほどだった。アンカハスは、サンティアゴはこれまで戦った中で最高の選手のひとりだと言っていた」と説明したという。
さらに「この試合については嫌な予感がする」とし、「サンティアゴは27歳で若さがある。背は低いが、ジャブで入ってきて速いコンビネーションを打つ優れたファイターだ。優れた左フックと右オーバーハンドを持っている。彼は非常に危険なファイターだ」と分析した。
米国の権威あるボクシング専門誌「ザ・リング」(WEB版)によると、サンティアゴは「夢が叶うことになる。私はこれまでずっとこの瞬間のために努力してきたが、今それがここにある。7月15日に私の最高の姿を見ることができるでしょう」と意気込みを語ったという。