「税務申告怠った事情一切ない」 人気YouTuber「税金トラブル」騒動、名指しの会計事務所が声明

   税金トラブルで所属事務所Carry Onを脱退した人気YouTuber「チャンネルがーどまん」をめぐり、がーどまんさん側が音声を公開していた「サムライ会計事務所」が2023年7月10日、声明を発表した。

  • YouTubeチャンネル「チャンネルがーどまん Channel guard man」7月4日公開動画より
    YouTubeチャンネル「チャンネルがーどまん Channel guard man」7月4日公開動画より
  • YouTubeチャンネル「チャンネルがーどまん Channel guard man」7月4日公開動画より

「おいくらだったら許して頂けますか?」

   かつてYouTuber事務所「Kiii」の社長を務めていた高田樹氏が21年10月に立ち上げた事務所「Carry On」には、Kiiiから合流してきたYouTuberもいた。Carry Onをめぐっては、「チャンネルがーどまん」や「夜のひと笑い」「ふくれな」さんらが6月30日に相次いで脱退を発表し、SNSの関心を集めていた。

   チャンネル登録者数264万人のチャンネルがーどまんは30日、ツイッターで事務所を離れたことを明かし、動画で経緯を説明した。

   がーどまんさんは「僕の家に国税の査察が入りました」「僕たちは税理士にお金も払っていたのに、全く申請してくれてませんでした」などと怒りをあらわにし、事務所との間で納税に関するトラブルがあったとしていた。

   がーどまんさんは7月4日公開の動画で、「サムライ会計事務所」と名前をあげながら、同会計事務所スタッフとの会話を収めた音声データを公開。会計事務所側ががーどまんさんに「おいくらだったら許して頂けるといいますか」などとする音声があった。

「税務申告を当事務所が怠った旨の情報」めぐり「このような事実はございません」

   がーどまんさんの動画で名前が出てきたサムライ会計事務所は10日、公式サイトに「当会計事務所に関連する報道について」とする声明を公開した。

   「当会計事務所に関連する報道について、クライアントその他関係者の皆さまへご不安とご心配をお掛けしておりますことをお詫び申し上げますとともに、下記の通りご報告致します」と謝罪した上で、今回の騒動について「当会計事務所と顧問契約をしていました法人とその代表者(以下「この方」といいます)に対して、国税局査察部による調査が開始されたと報道されております。この国税局査察部による調査に関連して、この方の税務申告を当事務所が怠った旨の情報がインターネット上で流されております。このような事実はございません」とした。

   「この方とは、確かに、顧問契約を締結しておりました。しかしながら、令和3年1月8日を最後に顧問料等の費用は頂くことはなく、更に、税務申告に必要な資料提供がないことから令和3年度、また、令和4年度の、2期の法人税申告はできませんでした」という。

「その後も税務申告に必要な資料を頂けない上、費用も一切頂けなかった」

   「当事務所代表税理士の新型コロナウイルス感染による入院、また、当事務所内で同ウィルスによるクラスターが重ねて発生した事情を背景とした、新型コロナウイルス感染症を理由とする申請期限延長制度を利用し、遅れている令和3年度、令和4年度の税務申告を行い、税務申告の遅れを取り戻すことを、この方にご提案させて頂きました」というが、「その後も税務申告に必要な資料を頂けない上、費用も一切頂けなかったことから、この方が当事務所にご依頼する意図がないものと判断」し、2023年2月9日付で顧問契約を解消したという。

   問題となった国税局による査察についても、「この方に、国税局査察部による調査が入りましたのは、令和5年4月であり、顧問契約解消後でした」とし、「この方の税務申告が可能な状況で、当事務所が税務申告を怠った事情は一切なかった」としている。

   「おいくらだったら許して頂けるといいますか」などの音声データについては「この点、この方ではありませんが、その関係者と称する人から、この報道された件について当事務所として莫大な金銭を請求されたことがありました。よって、当事務所としては、刑事告訴を検討するなかで、必要があって発言したものであり、当事務所の非を認めたものではない」として「以上が、報道されております内容に関連する事実です」と結んだ。

   一方「本件について、当事務所及び当事務所代表税理士への誹謗・中傷に対しましては今後法的措置も検討してまいります。また、本件に対するご質問・ご連絡はお控えいただきますよう、お願い申し上げます」としている。

「思ってることとか言い合って、非を認め合って和解できた」

   一方のがーどまんさんは同日、事務所「Carry On」と和解することにしたと動画で明かしている。

   「(事務所側と)思ってることとか言い合って、非を認め合って和解できた」と語ったがーどまんさん。税金に関するトラブルで追い込まれていたがーどまんさんは、当時Carry On社長の冗談を受け止めきれる状態ではなく、「すれ違いがあったんですけど和解できました」という。

   Carry Onも同日、公式サイトで、がーどまん退所以降改めて協議の場を設けたとして文書で説明。「がーどまん氏にとっても、会計作業が不透明となっていたのは事実であり、その点についてお詫びを行い、がーどまん氏との間の協議を終了いたしましたので、ご報告いたします」とした。「他にも申告が遅れたクリエイターはおりましたが、弊社が把握している限りにおいては、現在では申告及び納税を終えております」と報告し、「ご心配をおかけした皆様には、お詫び申し上げます」としている。

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