東京・浅草名物「金のウンコ」などの愛称を持つ巨大オブジェに気を取られ、隣接するビルが「ビール」を模したデザインになっているのを見落としてはいないか──。
1989年に竣工したアサヒグループの建物に関する指摘が、ツイッターで「確かに!」「知らんかった...」などと驚きを広げている。注目される中、オブジェのデザインをめぐる噂も浮上。J-CASTニュースが同社広報に詳しく取材すると、オブジェの「トリビア」も明かされた。
「なみなみとビールが注がれた巨大ジョッキ」
金色のオブジェを屋上に頂く「スーパードライホール」に隣接するのが、22階建てのアサヒグループ本社ビルだ。ガラスが琥珀色で、上部は、膨らむ白い泡を表現するかのように三角形のパーツが寄せ集められたデザインとなっている。
「アサヒビールタワー」という名のとおり、まるでジョッキに注がれたビールのような見た目をしている。
ツイッター上で2023年7月、冒頭のような盲点が指摘され、「知らんかった...」「確かに!何度も見ていますが、隣のビルがビールに見立てて造られていたと言うのを、このツイートで初めて気がつきました!」と話題になっている。一方、「知らん人が多いことに驚き!」といった反応も見られる。
アサヒグループジャパンの広報部は6日、反響の受け止めを「アサヒグループ本社ビルが『なみなみとビールが注がれた巨大ジョッキ』をイメージしていることを知っていただく良い機会になれば嬉しく思います」とJ-CASTニュースの取材に答えた。
本社ビルの構造について、ビールの液体にあたる部分はオフィスだと説明する。最上階の泡部分にはアサヒグループが運営するレストラン2店があり、誰でも利用可能だという。そのうちの1店、展望ラウンジの「アサヒスカイルーム」を次のように紹介した。
「浅草の街が一望できる絶景ポイントで、アサヒのおいしいビールを飲むことができ、ソフトドリンクや軽食もありますので、お子さまやお酒が苦手な方も気軽にお越しいただけます」
もう1店はイタリアンレストラン「ラ・ラナリータ」といい、「お店から東京スカイツリーが一望できる贅沢な空間です」と伝える。
オブジェにまつわる噂の事実は?トリビアも
仏デザイナーのフィリップ・スタルク氏が手がけた、金色に輝く炎のオブジェ「フラムドール」。今回、ツイッターで注目が高まるなかでデザインをめぐる噂も浮上している。
ひとつは、「(構想時は縦置きするはずだったが)建築基準法上の高さ制限をクリアできず横倒しになった」という内容だ。
広報は「さまざまな噂があるのですが『当時のデザイン案や打合せ資料で残っているかどうか』を判断軸として、ご回答をさせていただきます」と前置き、
「図面では逆方向に横たわるものはあっても、縦にするという計画は残っていない」
と答えた。また、炎らしく赤色にする予定が消防法により実現しなかったとする説に関しては、「そのような事実はございません」と否定した。
一方で、「トリビアとして、落下すると危険な氷柱ができるのを防ぐため、炎の先端にはヒーターが取り付けられています」と広報は明かす。
公式サイトによると、フラムドールは「新世紀に向けて躍進するアサヒビールの燃える心の炎」を表している。