葬送、鬼滅、推しの子...アニメで「初回拡大放送」相次ぐ なぜ30分越え?識者が期待する可能性

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今後も初回拡大放送は増える?

   デメリットとしては、制作スケジュールがイレギュラーになる可能性がある点だ。小新井さんは「外部から制作状況を想像した考察」であると前置きし、こう話す。

「初回拡大放送を行うことで従来とは異なる放送スケジュールになります。一般的なテレビアニメは1シーズンで12回の放送を行うことが多いですが、『【推しの子】』は1話を拡大した分、11話までの放送でした。

構成や編成などがトリッキーになる分、従来のアニメとは異なる見せ方、工夫が求められる点が大変そうだと感じます」

   また初回放送が長尺となることで、原作未読の視聴者の参入ハードルが高まることはないのか。小新井さんは、次のように答える。

「1話にさえ触れれば大きな効果を持つアニメも現れました。その1話にどうやって触れてもらうかに、初回拡大放送によるインパクトが貢献すると思います。一方でその1時間や2時間が長いと感じて離れてしまうとしたら、それは放送時間の長さというよりは、その作品が合う合わないの問題になってくると考えられます」

   それでは今後、初回拡大放送は増えるのか。小新井さんは「これまでも30分を超える拡大放送は行われてきており、今後も作品にもよるが行われるのではないか」と答える。

   アニメーション表現はマンガよりも進みが早くなりやすいので、「原作のストックを考慮したうえで初回拡大放送するか否かという判断も必要になる」という。マンガを原作とするアニメのすべてで実施するのは難しいと推測する。

   小新井さんは初回拡大放送の持つ可能性に期待も寄せている。

「深夜帯アニメが、初回拡大放送をゴールデンタイムに行うことで、新たな視聴者層にアプローチすることもできるかもしれません。例えばアニメ『呪術廻戦』は深夜帯の放送予定ですが、2期の放送開始を目前に劇場版『呪術廻戦 0』をゴールデンタイムで放送しました。今後、この枠で初回拡大放送を行う可能性もあるのではないでしょうか。
トリッキーな30分超え放送によって視聴者層の広がり方が変わるかもしれません。新たな挑戦や変化に期待しています」

(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)

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