「あまりにも暑いというクレームが相次いだ」
コスプレ写真を募集した理由について、担当者はPR資料を作るためだったと説明。ツイッターの投稿でも「当館の広報(チラシやHP)、事業説明資料(国の補助金、予算要求)の素材にご提供いただけると助かります」と述べている。
臨時休館を心配した話題の投稿について尋ねると、コスプレ写真の募集は臨時休館とは関係なかったと担当者は話しつつも、「ちょっと予算ないみたいやからみんな協力したってやという援護射撃のお気持ちはありがたい」と述べた。
臨時休館中に、空調の修理工事が行われるわけではないという。「去年もエアコンがほとんどダメになってて、あまりにも暑いというクレームが相次いだんです」と、担当者は経緯を話す。
23年度も空調設備を修理するための予算はついていない。こうした中で「やっぱりお金をもらって入館していただくことはできへんやろうという状況で、一番暑くなる期間は、もう休館しますっていう判断になったんです」と背景を明かした。
民俗博物館は、ツイッターで「当館に御寄付頂ける場合は、その旨をご記載頂けますと幸甚です」と、自分の故郷や応援したい自治体などを選んで寄付できるふるさと納税を呼びかけている。
しかし「正直募金では、中々修理費にはならんやろうな」との見立ても示す。担当者が2021年度に赴任する前から、建物の老朽化や空調設備が問題になっていて、修理費を算出したり、代替案を検討したりしたが、実際に修理するまでには至らない状況が続いた。
「大金持ちのどなたかが出してくれたりしたら、また違うかもしれへん」と担当者は笑いながら話すが、募金による修理は現実的ではないとも打ち明ける。修理費を含む予算配分についても、民俗博物館の意思だけで決まるわけではない。
今回思わぬ形で「臨時休館」に注目が集まったことに、担当者は次のように話した。
「SNSで皆さんがうちの博物館を大事に思ってくださることとか、気にかけていただいてることとか、実際にちょっと見に行ってあげようかなとかっていうのは、間接的にではあるんですけど、本当にありがたいと思ってるんです」
SNSの反応が「みんなに望まれている施設です」とアピールすることに繋がり、あるいは予算の獲得にも影響するかもしれないと感謝を示している。