「恵まれたスタートではなかった」 同期が先に選抜入り、9年目で初センター・SKE48末永桜花の素顔

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   名古屋・栄を拠点にするSKE48が2023年7月5日に9か月ぶりの新曲「好きになっちゃった」を発売した。グループ最年長だった須田亜香里さん(31)が22年11月に卒業してから初めて出す新曲で、グループの雰囲気も大きく変わりそうだ。センターポジションには末永桜花さん(21)が抜てきされた。

   末永さんは7期生として15年にSKE48に加入。9年目にして初めてのセンターだ。過去に2回ソロコンサートを開くほどの実力派で、AKB48グループ屈指の鉄道マニアとしても知られる。グループの「新しい顔」末永さんと、所属する「チームE」チームメートの佐藤佳穂さん(26)、菅原茉椰さん(23)、林美澪さん(14)に新曲に向けた意気込みを全3回にわたって聞いた。(聞き手・構成:J-CASTニュース編集部 工藤博司)

SKE48にとって「女性らしい、女の子っぽいダンス」は久々

SKE48の新曲「好きになっちゃった」のダンスは「恋花ダンス」と命名された。左から菅原茉椰さん、林美澪さん、末永桜花さん、佐藤佳穂さん
SKE48の新曲「好きになっちゃった」のダンスは「恋花ダンス」と命名された。左から菅原茉椰さん、林美澪さん、末永桜花さん、佐藤佳穂さん

―― 先ほど、完成したばかりのミュージックビデオ(MV)を拝見しました。前作「絶対インスピレーション」(22年)と比べると、雰囲気が大きく違いますね。

佐藤: 前作は「ダンスを見せる」シングルでした。今回も結構踊ってはいますが、ふわふわとした女性らしい、女の子っぽいダンスをSKE48が見せるのは久しぶりじゃないかなと思います。手ぶりの細かな動きや顔元で入る動きも多く、「SKE48はこういう見せ方もできる」ことをアピールできたと思います。雰囲気がすごく好きです。

―― ダンスは柔らかい感じが目立ちます。衣装も雰囲気が違いますね。

末永: ターンが多かったり、スカートがふわっと広がったり、結構女の子らしい振り付けが多いです。衣装は、前回は多くのメンバーがパンツスタイルで、お腹も出ていたり、チェック柄でちょっと落ち着いた色みでした。SKE48には、今回のような花柄で女の子らしい衣装があまりなかったので、すごく新しいと思います。
菅原: (振り付けユニットの)CRE8BOY(クリエイトボーイ)さんに振り付けていただきました。CRE8BOYさんの振り付けは、振り自体に意味を持っていることが多く、歌詞ともリンクするところがあります。自分たちがどう表現したらいいか迷ってしまうときに、振り付けから雰囲気を作りやすかったと感じています。新曲のタイトル「好きになっちゃった」が表すように、恋してだんだんその気持ちが大きくなっていく様子が全体の振り付けで表現されています。実際に踊っていくなかで、それを実感しました。

―― 楽曲の世界観が振り付けに反映されているわけですね。

林: ストーリー性がすごくあると思いました。バレエのようなきれいな振り付けです。全体で見たときにすごくきれいなんですよ!MVのダンスシーンでは、後ろに風船がついていて、その相乗効果ですごくきれいなMVになりました。

「風船も割れるし虫は飛ぶし、結構なハプニングだらけで...」

ミュージックビデオは千葉県立富津公園で撮影された(c)2023 Zest, Inc. / AEI
ミュージックビデオは千葉県立富津公園で撮影された(c)2023 Zest, Inc. / AEI

―― MVは千葉県立富津公園で撮影したと聞きました。大サビでは多くの風船が登場しますね。

佐藤: 終盤に向けて気持ちが膨らんでいく様子を風船で表現しています。MVは本を読む振り付けで始まります。「好きになっちゃった」という自分のストーリーを読み始めるという意味があるのですが、最後は花びらをつまんで本を閉じる、という構成です。こういった振り付けも相まってメンバーの思いが伝わるMVになっていると思います。

―― 完成版のMVは、今日初めて見たと聞きました。

佐藤: 風船の色ごとにチームに分かれて撮影していたので、他のチームの様子はよく分からなかったのですが、全体を一連の流れとして見たときに、MVの完成度の高さを感じました。

―― 何か撮影で苦労したことはありましたか。

林: スタッフさんに虫が止まってて、それを退治するのが大変で...。目の前にいたんですね、撮ってるときに。私は結構な虫嫌いで...! 風船も割れるし虫は飛ぶし、結構なハプニングだらけで、私はビビりまくっていました。
末永: 選抜のMVは外で撮ると雨が降ることが多かったのですが、珍しく今回は快晴でした。その分、まぶしくて目が開かなくて...。目を開けてMVを撮れているか心配でしたが、ちゃんとみんなかわいく映ってました。

―― ダンスは「恋花ダンス」と命名された、と聞きました。

末永: 恋が花開いちゃうような感じのダンス、というところから来ています。振り付け全体がお花っぽかったり、恋を表すようなダンスです。その中でも冒頭の本を読むポーズなど、MVのストーリーともつながっています。

ソロコンあいさつ「ゆっくりでも遠回りでもまた頑張ればいい」の真意

センターの末永桜花さんは2023年6月に2回目のソロコンサートを開いた (c)2023 Zest, Inc.
センターの末永桜花さんは2023年6月に2回目のソロコンサートを開いた (c)2023 Zest, Inc.

―― 末永さんは初めてセンターを務めました。普段と違って自分の前で踊っている人はいないわけですが、緊張しましたか。

末永: 緊張する間もなく、あっという間の1日で撮り終わりました。今回はダンスシーンがメインで、前に人もおらず、ダンスを間違えるわけにもいかないということで、ひたすら泊っているホテルでも踊っていました。普段のMV撮影では人と人の隙間からカメラを見ていましたが、今回はカメラに手が当たっちゃうぐらい近くまで寄って撮ってくださったり、なかなか経験できない貴重な機会でした。もう二度とないかも知れない機会だし、楽しまないともったいない、という気持ちで走り抜けました。

―― 6月1日のソロコンサートでは、「皆さんが支えてくれるから、ゆっくりでも遠回りでもまた頑張ればいいんだと思えました」とあいさつしていました。どういった思いで話していましたか。やはりセンターまでの道のりは「遠回り」でしたか。

末永: SKE48に入ったときは、同期の中でもイベントに出られなかったり、他のメンバーが先に選抜入りしたり、恵まれたスタートを切れたわけではありませんでした。ファンの皆さんは、他のメンバーを推していたら、もっと早くこの景色(センター)を見られたかもしれません。ここまで来るのに8年ちょっと...もう9年目ですが、それまで心折れず支えてくれた方がいたからこそ活動を続けられた、と思って話しました。

―― 林さんのようにデビュー直後にセンターに抜てきされる人がいる一方で、末永さんのように、ある程度時間がたってからセンターになる人もいます。今のタイミングでセンターに選ばれたのはなぜだと思いますか。

末永: これはずっと言っているのですが、応援してくれる方がいるからこそ立てたセンターです。私の力だけではない、というのがやはり一番大きいと思います。

―― 林さんは過去に2回ほどセンターを務めてきたと思いますが、「先輩」として、末永さんのセンターぶりはどう映りましたか。

林: やっぱり桜花さんってすごくアイドルじゃないですか?私のアイドルの理想型なのですが、そんな桜花さんがセンターに立っているのを横から見ていて、むちゃくちゃ尊敬していますし、あの頃(以前の作品でセンターに)立っていた自分が恥ずかしくなっちゃうくらい本当にすごく輝いていて、なんで自分立ってたんだ?っていう気持ちになっちゃいました。

―― ベテランの方がセンターに立つと、やっぱり違いますか。

林: オーラから違いますし、それこそ隣がキラキラし過ぎて自分も頑張らなきゃ!という気持ちでいっぱいでした。

SKE48劇場で本物のJR制服着て「HC85系の旅の感想発表会」

センターポジションに抜てきされた末永桜花さん
センターポジションに抜てきされた末永桜花さん

―― アイドルを応援する上では、歌、ダンス、MCなどいろいろ要素があると思いますが、末永さんはAKB48グループではSTU48の瀧野由美子さんに並ぶ鉄ヲタとして知られています。いわゆる「ガチ勢」で、瀧野さんと共演したYouTube番組「開幕!鉄オタZ世代選手権」(テレビ朝日、22年11月)は圧巻でした。好きな車両や、今後乗ってみたい車両があったら教えてください。

末永: いやいや、全然そんな詳しいわけじゃないんですけど...。好きな車両ですか?いっぱいあるんですけど...そうですね...、(出身地でSKE48の本拠地の)愛知県でいえば名鉄6000系がずっと好きで、新幹線だと500系とか0系とか好きですし、あと関西だと、京阪8000系とか...。最近のものだと(JR東海の最新鋭ハイブリッド車の)HC85系とか思い出がありますし、いっぱいありますね。

―― 名鉄6000系は、かなり以前に瀬戸線で乗ったことがあります。コンプレッサー音が特徴的ですね。

末永:そうなんですよ...!

―― 鉄道の仕事も増えてきました。23年3月まで「冬の飛騨路キャンペーン」アンバサダー&サポーターを務め、先ほどお話があったHC85系をPRしました。SKE48劇場では、トークイベント「特別列車SKE48号」も開かれました。かなり濃い内容だったのでは...?

末永: JR東海さんがメンバー全員のサイズに合わせて車掌さんの制服や整備士さんの作業着も作ってくださって...。本物の制服を着て、HC85系の旅の感想発表会だったりとか...。
佐藤: 新幹線の車窓当てクイズをしたり...。
末永: N700SとAの違いのクイズだったりとか。現役の313系のパンタグラフの部分を劇場まで持ってきてくださったり...。
佐藤: ファンの方と、こういった鉄道にまつわるお話をしたり、一緒に撮影会を開いたりしていました。第3回までやらせていただきました。そういえば、第2回はSTU48の瀧野由美子ちゃんも来てくださっていました。(瀧野さんと末永さんの)2人で、私からしたらわけのわからない話で盛り上がってるのをファンの方と見たり...(笑)SKE48のファンの方の中にも結構鉄道好きな方はいらっしゃるというのは、私もすごく実感しました。

(インタビュー第2回に続く。7月9日掲載予定です)


佐藤佳穂さん プロフィール
さとう・かほ 1997年生まれ、愛知県出身。16年に8期生としてSKE48に加入。チームEメンバーで、22年11月から同チームのリーダーを務める。

末永桜花さん プロフィール
すえなが・おうか 2002年生まれ、愛知県出身。15年に7期生としてSKE48に加入。チームE、派生ユニット「プリマステラ」メンバー。20年、23年にソロコンサートを開いた。

菅原茉椰さん プロフィール
すがわら・まや 2000年生まれ、宮城県出身。15年にドラフト2期生としてSKE48に加入。チームEメンバー。

林美澪さん プロフィール
はやし・みれい 2009年生まれ、愛知県出身。19年に10期生としてSKE48に加入。チームEメンバー。「あの頃の君を見つけた」(21年)、「心にFlower」(22年)でシングル表題曲センターポジションを務める。

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