電動キックボード、なぜ電動アシスト自転車大手が参入しない? 規制緩和も安全性にSNS懸念...メーカー3社に聞いた

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   2023年7月1日の法改正により電動キックボードが利用しやすくなった一方、安全性への不安の声も多い。ツイッター上では、電動アシスト自転車大手メーカーが電動キックボードを手掛けていない背景に、安全性への問題意識があるのではないかとする指摘があがり、注目されている。J-CASTニュースは、パナソニックサイクルテック(大阪府柏原市)、ヤマハ発動機(静岡県磐田市)、ブリヂストンサイクル(埼玉県上尾市)の電動アシスト自転車大手3社に、電動キックボードに参入していない理由を取材した。

  • 電動キックボード(写真はイメージ)
    電動キックボード(写真はイメージ)
  • 警察庁ウェブサイトより
    警察庁ウェブサイトより
  • 電動キックボード(写真はイメージ)
  • 警察庁ウェブサイトより

利用のハードルは下がったものの、安全性に不安の声も

   電動キックボードの国内メーカーとしてはKintone(茨城県常総市)やE-KON(兵庫県姫路市)などがあり、いずれも電動キックボードに特化したメーカーだ。電動アシスト自転車を手掛けるパナソニックサイクルテック、ヤマハ発動機、ブリヂストンサイクルの大手3社は、いずれも参入していないが、SNS上では、高性能な製品を提供する3社に対し電動キックボードの開発を望む声も見られる。

「パナソニック、ヤマハは家にある電アシのバッテリーを使える電動キックボードを出そう!」
「パナソニックって電動キックボードいけますの?」
「そろそろブリヂストン辺りが電動キックボード出しませんかね」

   電動キックボードについては、7月1日の法改正で規制緩和され、「特定小型原付」に区分されるものであれば、16歳以上は免許不要、ヘルメットの着用も努力義務になるなど、利用のハードルが大幅に下がった。しかし、免許が不要としつつも二段階右折をする必要があるほか自賠責保険の加入が必須となっており、交通ルールを知らずに運転し事故を起こす危険性について各メディアが報じている。7月6日には大阪市で、飲酒運転とみられる電動キックボードがトラックに衝突する事故が報じられた。法改正以降、電動キックボードの事故は大阪府内で初めてという。

   ツイッター上でも、

「バス通勤してると危ない自転車やバイクよく見るんだけど、それに電動キックボード加わるの怖すぎ」
「電動キックボードはシステムで時速10km以上出ないようにするとかしないとマジで危ないと思う」
「電動キックボード、歩行者としても恐怖だしあの防御力のなさで運転手も大丈夫なのか本当に不安なんだが しかも安全性の低さの割に速いしなんだあれ」

など不安の声が上がっている。

3社に未参入の理由を聞いた

   電動アシスト自転車大手メーカーが7月現在、電動キックボードに参入していないのは、安全性への問題意識があるからなのか。

   取材に対し、パナソニックサイクルテックは「電動キックボード自体は規格に則って作られている製品であれば安全性に問題があるとは考えていない」とし、安全性については乗る人の交通ルールの意識が重要とした。参入していない理由については、「当社では安全で快適なサイクルモビリティの提供ができる製品を開発しており、現時点では電動キックボードはそのコンセプトにマッチしない」とし、あくまで未参入なのは現状であり今後も参入しないと決めているわけではないことを説明した。

   ヤマハ発動機は「現時点で、製品投入していない理由は、複数要素ある」とし、一概には回答できないということだった。ブリヂストンサイクルは「ご質問に関しては回答を控えさせていただきます」とした。

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