東京美容外科の統括院長で慶應義塾大学医学部非常勤講師の麻生泰さん(51)が2023年7月2日、ツイッターで「医師の地域枠」について「村1番のかわいい嫁をあてがってあげたら、飛ぶように応募来るでしょ」と投稿し、物議を醸している。
J-CASTニュースは、麻生さんに詳しい話を聞いた。
同業者から批判も
チャンネル登録者数17万人超のYouTuberとしても活躍し、著書に『バーキン買うなら豊胸しろ』がある麻生さんは、ツイッターで「医師の地域枠」に言及した。
厚生労働省医療政策研修会の資料によると、医師の地域枠とは、医師の地域偏在などを調整するため「(医学部)卒業後に特定の地域や診療科で診療を行うことを条件とした選抜枠」である。
麻生さんは医師の地域枠について「村1番のかわいい嫁をあてがってあげたら、飛ぶように応募来るでしょ」とし
「コトー診療所(編集部注:テレビドラマ「Dr.コトー診療所」)見てみ〜柴咲コウがナースで居て仕事手伝ってくれるんなら、東京戻る医師はおらんでしょ。医師より先にかわいいナースを確保したら良いです」
と持論を展開した。
Dr.コトー診療所は、沖縄県八重山列島にあるとされる架空の島・志木那島を舞台に、離島での医療状況が描かれている。俳優の柴咲コウさんは志木那島の診療所の看護師を演じた。
投稿には1000以上の意見が寄せられ、
「嫁=女をあてがうという、人間を物のように見做している直球の女性差別」
「医師や看護師自体も侮辱している投稿を平気でするとは驚きです」
「最低な投稿だな、地域医療を馬鹿にしている」
といった批判的な声が多く上がっている。
精神科医で、北海道のむかわ町国民健康保険穂別診療所で「へき地医療」に取り組んでいる香山リカさんは「『山奥のコトー診療所』のようなところで働く一医者として、この発言にとても悲しくなりました。都市部の医療機関とは異なる楽しみもあれば苦労もあるへき地医療の実際を一度、見ていただきたいと思います」とコメントしている。
麻生さん「世の中にはいろんな考え方がありますので」
麻生さんは7月5日、取材に対して、今回の発言の背景として「医学部受験の地域枠制度が受験生にとってはおすすめだ」という趣旨のツイートがまず炎上したとし「炎上ついでに田舎に医師が来るようにするには、という意味で発言させて頂いたら更に炎上」したと説明した。
麻生さんは岡山県で医師として働いていた際、大阪府に住む女性と遠距離恋愛をしていたとし
「岡山で骨を埋めたいと彼女に話したところ、こんな田舎には住めないし、金銭面でも貴方についていけないと言われて、僕は家庭の事情もあり都会の美容外科医師に転身した経緯もあります。
応援してくれるかわいい女性がそばにいれば、多少年収が低くても、岡山で頑張れたんじゃないかという思いもあり、そのような発言になりました。
愛する人がいれば、極地でも頑張れる人はいるでしょうし、女性にとっても地域医療を頑張る心優しい医師との縁談は悪いものではないはずです」
と述べた。
批判への受けとめについては「男性なら誰でも、かわいい人と一緒なら嬉しいですよ。侮辱はしてません」といい「かわいいは正義だ。だから僕は美容外科医師をしています。不細工で生まれた事は貴方のせいではありませんが、不細工のまま死ぬのは貴方のせいです。ルッキズム(編注:外見至上主義)を助長していると批判を浴びていますが、世の中にはいろんな考え方がありますので」と答えた。
今回のツイートに対して今後何らかの対応をするか尋ねると
「僕の誤解を招くような発言でお気を悪くされた方には申し訳なかったと感じていますが、謝罪等は考えておりません。更に燃やしてください」
した。
医師の地域枠だけど、村1番のかわいい嫁をあてがってあげたら、飛ぶように応募来るでしょ。コトー診療所見てみ〜柴咲コウがナースで居て仕事手伝ってくれるんなら、東京戻る医師はおらんでしょ。医師より先にかわいいナースを確保したら良いです。
— 麻生 泰 (@asoutoru) July 2, 2023