「選手たちも自分たちがミスしたということは分かっている」
橋上氏は「DeNAには優勝を経験している選手がいない(編注:宮國椋丞投手(31)は巨人時代に経験あり)ので、優勝するための手綱の締め方を知っている選手がいない」とし、「6回の場面を見ると、優勝を経験した選手がチームを締めるという役割をバウアー選手が担うような感じがします。自分に対して怒ったのでしょうが、グラウンドであのように感情を露わにしたことである意味チームに緊張感を与えたと思います」と指摘した。
そして「選手たちも自分たちがミスしたということは分かっているはず。あそこでなあなあになってしまうのが優勝経験のないチームの大きな特徴です。『まあしょうがないだろう』と。バウアー選手が激しい口調で怒った仕草を見せたが、あの場面では誰に言ったか分からないのでみんなが自分に言われているように感じていると思います」と持論を展開した。
DeNAはセ・パ交流戦明けの阪神との首位攻防戦で3連勝しリーグ首位に浮上した。ところがその後4連敗。バウアーの肩に連敗ストップがかかっていた。橋上氏は、バウアーの野球に取り組む姿勢や気迫などを高く評価した上で次のように語った。
「バウアー選手の場合、一生懸命やっていると皆が認める選手。自分のことを一生懸命やらない選手があのように怒っても周囲はしらけてしまう。やるべきことをしっかりやっている選手があのように感情を露わにすると周りの人間は何かを感じる。厳しい姿勢というのが好影響を及ぼすことがある。バウアー選手のようにグッと締めるような態度は今後のDeNAにとってプラスになると思います」
さらに「スタンドのお客さんもバウアー選手の態度は頼もしく思えるのではないでしょうか。長年のファンにしてみれば『自分たちのチームに足りないのはこういうところだ』と頼もしく見えた人もいると思います。今後バウアー選手が中心になってチームを引っ張っていくと優勝が見えてくると思います」との見解を示した。