人気化粧品ブランド、「ツイート盗用」して偽口コミPR 被害者「とても不快」...メーカー&広告代理店は謝罪

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   ヘアケアブランド「クレイエンス」のPR用ツイッターが、白髪染めについて書いた自分の投稿を勝手に使ったと、ツイッター上で抗議があった。

   一部を除いて、ほぼ同じ文面だったという。ブランドの運営会社は2023年7月4日、PRを委託した広告代理店が投稿の無断使用をしたことを認めて、公式サイトで謝罪した。

  • PR用ツイッターが非公開に(その後に削除)
    PR用ツイッターが非公開に(その後に削除)
  • 盗用したとされたツイート
    盗用したとされたツイート
  • PR用ツイッターが非公開に(その後に削除)
  • 盗用したとされたツイート

盗用した投稿は削除され、アカウントも非公開・削除に

   クレイエンスは、化粧品メーカー「プレミアアンチエイジング」(東京都港区、東証グロース上場)によるスキンケアブランド「DUO」の姉妹ブランドだ。白髪を染めたりするのに使うヘアカラー商品などがあり、俳優の檀れいさん(51)を起用したテレビCMでお馴染みだ。

   そのPR用ツイッターは6月29日、染めた髪の写真をアップして、こんな投稿をした。

「『なんでどこも行かないのに白髪染めしてんのw』って娘に言われたけど、身なりをほったらかしにしてよれよれに老いた自分の姿を鏡で見たら気持ちもいっきに老けて塞ぎ込んでしまいそうだからよ」

   投稿では、クレイエンスにハマっているとし、面倒な準備もいらず楽にヘアケアができるとして、お得情報を得られるとしたアンケートへ誘導するものになっていた。

   これに対し、自らの投稿が使われたと抗議したのは、みおさん(@miomiopyonkichi)だ。

   みおさんは、言われたのが娘という部分を除き、同一の文面を20年4月19日にツイッターで書いていた。この文面を引用し、23年7月1日の投稿で、「なんで私のツイートと一言一句違わない言葉使って商品の宣伝してんの?」と苦言を呈した。

   この投稿は、5000件以上リツイートされて注目を集めた。この騒ぎで、クレイエンスの投稿は削除され、アカウントが非公開になった後、4日にはアカウントも削除されている。

「勝手に投稿が使われたのはとても不快な気持ちでした」

   みおさんのツイッターによると、7月1日にタイムライン上で見つけ、もしやと思って検索して「パクリ」を突き止めたという。白髪染めについて実際に言ったのは、娘ではなくて息子だったともしている。

   みおさんは3日、J-CASTニュースの取材に応じ、クレイエンスのブランドは知らなかった一方、DUOのテレビCMなら見たことがあるといい、「ちゃんとした企業のはずなのになぜ?と思いました」と不信感を示した。そのうえで、「勝手に投稿が使われたのはとても不快な気持ちでした。個人的な家族の会話ですし、営利目的で使われるのは嫌です」と漏らした。

   クレイエンス側とのコンタクトはまだないものの、ツイッター側には、自分のツイートが使われていると報告したことを明らかにした。

   パクリだとの指摘に対し、クレイエンスを運営するプレミアアンチエイジングは4日、「Twitter広告アカウントでの投稿に関するお詫び」を公式サイトに出した。

   それによると、PR用ツイッターで「過去に個人の方が投稿したテキストを無断 で複製使用した内容であることが判明いたしました」として、「当該個人の方、並びに関係各社、お客様には不快な思いと、多大なるご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

   そのうえで、次のように状況を説明した。

「広告代理店の投稿内容確認を十分に行えていなかった」

「当該個人の方には、広告代理店から謝罪を行うべく調整中ですが、当社としても謝罪を行いますと共に、今後もご理解を得るべく経緯の説明等を継続してまいる所存にございます。当社は Twitter における広告の制作・運用を広告代理店に委託しており、本投稿内容は当該広告代理店 にて投稿されたものでありますが、当該広告代理店の管理を含め、投稿内容の確認を十分に行えていなかった当社の管理体制に起因する事案だと認識しております。本件を重く受け止め、二度とこのようなことが起きないよう再発防止に努める所存です」

   なぜこのようなことが起きたかについて、プレミアアンチエイジングの広報担当者は4日、取材に対し、「代理店の中で投稿が行われた形になるため、詳細は差し控えさせて下さい」と話した。無断使用したのは、みおさんが訴えた投稿だけで、それ以外や他の人の投稿からの使用はなかったとしている。

   同社が委託した広告代理店「ピアラ」(東京都渋谷区、東証プライム上場)も同日、公式サイトで「Twitter広告における無断複製使用に関するお詫び」と題した謝罪文を出した。そこでは、「今回の原因は、弊社において広告を作成するにあたり、弊社の広告運用に対する認識が欠如していたことにあります」と説明したうえで、「弊社は本件を重く受け止め、今後は二度とこのような事象を発生させないため、本件の事象を社内で周知し、弊社内でのモラルの向上、広告内容の管理フローを見直し、運用を徹底してまいります」としている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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