日本から韓国への観光需要の回復が、さらに鮮明になってきた。韓国観光公社が2023年6月28日に発表した韓国観光統計によると、23年5月に日本から韓国を訪れた観光客は18万3691人で、前年同月の3701人から49.6倍に増えた。「コロナ前」の19年5月に韓国を訪問したのは28万6273人で、当時の64.1%にまで回復している。
コロナ前は4月と5月で訪問者数に大きな違いはなかったが、23年4月の訪問者数12万8309人に比べて5月は43.2%増えた。23年4月時点での客足の回復は4年前に比べて44.2%の水準にとどまっており、1か月で急激な回復を見せた。大型連休(ゴールデンウイーク)の大部分は5月に含まれる上、連休直後の5月8日に新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に移行した影響が出ているとみられる。
「大手」からの訪問は減少も...
23年5月に国外から韓国を訪問した観光客は86万7130人。4月の88万8776人から2.4%減少した。もっとも、19年以前も4月から5月にかけて減少することは多く、特に特異な現象ではない。米国やヨーロッパ各国、オーストラリア、台湾、香港といった「大手」からの訪問が減る中で、日本からの増加が突出している。
前出のように、4月から5月にかけて日本から韓国に行く人は43.2%増えたが、シニア層の増加が目立つ。21~30歳、31~40歳は3割程度伸びているのに対して、51~60歳は48.5%増。60歳以上は、1万6820人が3万4883人に倍増している。
入国経路別に見ると、仁川空港が全体の58.8%を占めた。次に多かったのがソウル都心部に近い金浦空港の19.4%。釜山近郊の金海空港から入国した人も8.7%いた。
1か月で大きな変化があったのが海路だ。23年4月に釜山港経由で入国した人は4270人だったが、5月には1万6261人と3.8倍に増加。入国経路に占める割合も3.3%から8.9%に伸びた。