任天堂、カバー...荒れる株主総会「ファンミではない」批判も 議題と無関係の質問に法的問題は?弁護士見解

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趣旨に関係ない質問をすることに問題はないのか

   ファンが株主となった場合、株主として決議事項や報告事項について質問する権利は当然ある。ただし総会での質疑応答は、その株主総会の議題に関連することに限定されると説明する。

「特に定時株主総会は決算の報告がなされるので、経営に関することが幅広く質問される傾向にあり、会社側も幅広い質問に対しても誠意をもって説明することが多いです」

   任天堂で行われたゲームに関する質問は、議題に関連するのか。また、企業はこれに答える義務があるのか。今井弁護士は「要望」とも受け取れるとして、次のような見解を示す。

「個別のゲームの仕様内容については、デザイナーの考えやマーケティングの結果なども反映されてはいるでしょう。しかしこれが任天堂という会社の決算内容やその他経営内容にどこまで関わってくるかと考えると疑問です。
会社法的には説明する義務まで認めることは難しいとは思います。しかしこの質問に対しても、返答した経営者は誠意をもってそれなりに応えているように読めます」

   今井弁護士は「株主が、その株主総会の議題とはおよそ関係ないことを質問したり、あるいは、仮に関係するとしても同一事項について繰り返して同様の質問をする、などした場合は、会社側は説明を拒否できる」と説明する。一方、株主がこのような説明義務のない質問を執拗に繰り返した場合については、「会社法にははっきりと明文で規定した条文はありません」という。

「しかし明らかに説明を求める権利の濫用ととれるような態様での行動であり、それが度を超している状況ならば、会議の秩序を守るためにも、何らかの制止措置を受けることもやむを得ないと思われます」
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