俳優の広末涼子さん(42)とフレンチレストラン「sio」のオーナーシェフ・鳥羽周作さん(45)のダブル不倫報道が世間の注目を集め続けている。
発端は2023年6月8日発売の「週刊文春」による報道で、15日の続報では、広末さんが鳥羽さんに宛てた交換日記形式のラブレターの画像、及びその内容が掲載された。
「普通の42歳はきもちくとか幼児語は使いませんよ」
同誌は広末さんが書いた複数回のラブレターを掲載。その中には、「きもちくしてくれて」という一節があったが、これに対し、ツイッターでは、「42にもなって『きもちくしてくれて』はヤバいだろ」「普通の42歳はきもちくとか幼児語は使いませんよ」といった声が上がる一方、
「今回の広末涼子の件で一番驚いたのは『きもちくしてくれて』を二次創作以外の、現実世界で見たこと」
「きもちくっていう言い方は私の住んでる地域では聞いたことないですね」
「47年間、埼玉に住んだけど『きもちく』と言った事ないし、聞いたこともないなぁ...」
といった、聞いたことがない表現、もしくは知っていても実社会では使わないとする声も上がった。
果たして、「きもちく」という表現は幼児語なのか、はたまた、方言だったりするのか。J-CASTニュース編集部は「三省堂国語辞典」の編集委員として知られる国語辞典編纂者の飯間浩明氏に見解を聞いた。
「もう20年以上前に、かなり使われていたわけです」
取材に対し、飯間氏は「三省堂国語辞典」に「気持ちい」という単語が載っていることを示した。
「『気持ちい』という項目は、2022年刊行の第8版で初めて載せたんです。主な説明は『気持ちいい』の項目に譲りましたが、例文の中には『気持ちく』も示してあります。つまり、『気持ちい』という形容詞の連用形が『気持ちく』なんですね」
続けて、ツイッターでは幼児語ではないかとする声も上がっている点について、必ずしもそうではないと指摘する。
「幼児語というのは、私たちの辞書では『小さい子が話す、こどものときだけのことば』と説明しています。『まんま』『ブーブー』などが典型的ですね。でも、『気持ちい』は大人を含めて幼児より年齢の高い人も使います。私たちの辞書では、方言または俗語と表示しています」
使われ方の歴史については、こう説明する。
「文化庁の平成12年度(2000年度)の『国語に関する世論調査』では、女性の16~19歳では『きもちかった』を使う人が4割を超えていました。もう20年以上前に、かなり使われていたわけです。研究者によれば、20世紀末の時点で、北海道・愛知など、地方で『気持ちいい→気持ちい』の変化が先行し、東京に入りつつあるということでした」
飯間氏自身がこれまでに見聞きした「気持ちい」の例を、「たとえば、テレビのニュースで、銀座の百貨店の女性店員が、肌に塗るジェルについて『体の表面はひんやり気持ちく、冷えるんです』と言っています。また、高校生男子の作文では、ルール破りは『きもちい行為』だと書かれています」と振り返り、「広く使われているという印象ですね」と述べた。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)