「太陽の国から里帰り!」ペルー産みかん、輸入実現の知られざる闘い 農家との衝突、添加物の問題...仕掛け人の挑戦記

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「ペルーにものすごく美味しいミカンがある」口コミを頼りに

   取材に応じたのは、営業開発本部事業開発部でアグリビジネス室の室長を務める村上浩二さんと、常務執行役員で両部署の部長を務める向山潤さんだ。ペルー産のみかんに注目したきっかけは口コミだった。三井物産グループのペルーに勤める社員から「ペルーにものすごく美味しいミカンがある」という話が寄せられた。

向山「2017年ごろ親会社から『ペルー産のみかんを取り扱うことはできないか』と打診を受けました。地球の裏側から夏に美味しく食べられるみかんが届くのは消費者にも受け入れられるのではないかと考えました」

   ちょうど国がペルー産みかんの輸入解禁を検討しているころだった。同社の柑橘類を担当する村上さんは、さっそくペルーに飛び立った。

村上「衝撃的な風景が広がっていました。日本での作り方と全く違ったのです」

   みかんは、温かく乾燥した気候と水はけが良い土壌を好む。日本では和歌山や愛媛などが代表的な産地として知られ、沿岸部にかけて段々畑が広がる。木が重ならないことで十分に日を浴びることができるだけでなく、急斜面が水はけをよくするなどのメリットがあるためだ。

村上「ペルーでは、広大な平たい土地にみかんのプランテーションが広がっていたのです。非常に強い日差しが降り注ぐ砂漠のような土地にみかんがあってビックリしました。
アンデス山脈の雪解け水と思われる地下水で、みかんを栽培していました」

   炎天下での農作業は楽ではないが、勤勉な国民性もあり「真面目に仕事に向き合っている人が多い印象を受けた」と話す。栽培技術も想定よりも進んでいたほか、みかんをはじめとした柑橘類は国民食として広く親しまれていたという。

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