プロボクシングの世界2階級制覇ルイス・ネリ(メキシコ、28)が、元世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、30)との対戦を猛アピールした。地元メキシコのスポーツ専門メディア「RECORD」(WEB版)が2023年6月27日に報じた。
米国プロモーターと交渉中
ネリは今年2月に米カリフォルニア州で行われたWBC世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦でアザト・ホバニシャン(アルメニア)をTKOで破り、WBC・WBO世界スーパーバンタム級王者スティーブン・フルトン(米国)への挑戦権を獲得した。
フルトンは7月25日に東京・有明アリーナで井上の挑戦を受ける予定で、井上が勝利すればネリが対戦候補に挙がる。
記事では、ネリが語った「青写真」を紹介した。ネリは「フルトンが井上に勝てばベルトを返上してフェザー級に階級を上げる。もし井上が勝てば、俺は井上と戦わなければならない。なぜなら俺は正式な挑戦者であり、ナンバーワンだからだ」と豪語したという。
同メディアによると、ネリ陣営はすでにボブ・アラム氏(米国で井上をプロモートするプロモーター)と交渉を行っているという。ネリは7月8日に地元メキシコでフィリピン人ボクサーを相手に世界前哨戦を予定しており、「1ラウンドでノックアウトする」と意気込みを見せたという。
ネリに関して井上が所属する大橋ジムの大橋秀行会長(58)が6月8日に公開されたユーチューブ動画の中で言及した。
「井上がやりたいのはネリ、カシメロ」
元世界王者の畑山隆則氏(47)、竹原慎二氏(51)、渡嘉敷勝男氏(62)のチャンネルにゲスト出演した大橋会長は、「(井上は)フルトンのことしか考えていないと」と切り出し、井上の気持ちを「代弁」した。
動画収録直前に井上の意思を確認したという大橋会長は「(井上が)やりたいのはネリ、(ジョンリル)カシメロ。カシメロは1回やるはずだったので。決まっていてコロナで中止になっちゃった。カシメロはこの間ちょっと試合が良くなかった。でもカシメロ、ネリに1番興味あると」と明かした。
ネリは17年8月にWBC世界バンタム級王者・山中慎介(帝拳)に挑戦しTKO勝利で王座を獲得。18年3月の再戦では前日計量で体重を超過して王座をはく奪されたが、試合では山中に2回TKO勝利。世界王者の体重超過を重くみた日本ボクシングコミッション(JBC)は、ネリに対して無期限の活動停止処分を科した。
その後、スーパーバンタム級に階級を上げ20年9月にWBC世界スーパーバンタム級王座決定戦に勝利して王座を獲得。21年5月に行われたWBA・WBC同級王座統一戦に敗れ無冠となった。